2022/07/22
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ゴリラ・オフロード仕様-44:電装の全波整流化

※2022/8中旬まで、ゴリラ・オフロード仕様製作は毎朝1話ずつ公開されます。

モンキー/ゴリラなどは原付の多くで採用されている半波整流回路です。一方、中大型バイクの電装は全波整流回路となっています。

ザックリ、何が違うかというと...
・半波整流:ジェネレーターの発電する半分は交流のまま灯火類へ、半分はレギュレーターを介して直流化しバッテリーや灯火類以外の直流回路へ。
・全波整流:ジェネレーターの発電するすべての電力はレギュレーターを介して直流化され、電装は灯火類も含めすべて直流回路。

原付の多くがエンジンの回転に伴って灯火類が反応しているのはこのためです。一方、全波回路の場合、イグニッションONですべての電装がエンジンがかかってなくても使用可能です。

半波整流のままだと灯火類のLED化やデジタルメーターを使う際にちょっと都合が悪いんですね(できないこともないですが、面倒臭い)。

というわけで全波化します。
必要なものは
・フライホイールを外すためのフライホイールプーラーとユニバーサルホルダー
・全波化対応のレギュレーター
・配線とハンダ付けの道具
(一般工具は略)

まず、フライホイールを外しジェネレーターを外します。


ジェネレーターコイルから出ている配線を繋ぎ変えます。
Aの黄色の配線とBのエナメル線をカットし、カットしたAとBを繋ぐ作業から。


まず、Aの黄色線をカットし、延長します。繋いだ部分は熱収縮チューブなどでしっかりと絶縁します。


延長した黄色線をBのエナメル線に繋ぎます。エナメル線は表面にエナメルが塗布されて絶縁しているので黄色線と繋ぐ箇所はサンドペーパーなどでエナメルを削り落としておく必要があります。ここも接続部分は熱収縮チューブなどでしっかりと絶縁します。


これでジェネレーターの全波化は完了。発電した電力は下記画像赤丸で囲んだ黄&白から出力されますので、これをレギュレーターの交流INに向かうように変更します。


レギュレーターへの配線はスマートにまとめるため、最終的には元々のコネクタの配線を経てレギューレーターに繋がるようにするのですが、この段階では今回の作業の結果を早く知りたかったので(せっかち)、暫定的に上記画像の赤丸の部分からカットして直接レギュレーターへ延長という方法をとりました。

これが全波対応のレギュレーターです、アマゾンで比較的評価がよさげなものをチョイスしてみました。純正の半波のレギュレーターの倍の大きさです。


レギュレーターについて、「すぐに壊れた」等の評価が散見されますが、レギュレーターはかなりの熱を持つ上、内部には熱に弱いレギュレータートランジスターが内装されています。レギュレーターは放熱の悪い箇所に設置するとアっちゅう間に壊れます

レギューレーターに繋ぐコネクタです。キボシになっている黄&白にジェネレーターコイルの出力の黄&白を繋げばOK。直流出力は赤が+、緑がGND(−)になります。


今回、このゴリラの配線全般に使うのはAWG-18の太さの配線です。これより細いとキボシなどへの圧着に不安がある細さ、これより太いのは取り回しやデジタルメーターなどの細身のコネクタ端子に圧着しづらいです。


それにしても10色2mずつとか、なんて便利な商品だろうかと。1本ずつ色違いで揃えるのは意外と面倒で費用もかかるんですよね。

ちょっと分かりにくい画像ですが、ジェネレーターコイルからの出力をレギュレーターの交流INに繋いで完成!


レギュレーターは元あった位置からタンク下のフレームにネジ留めに変更。この部分はトンネルになっていて常に走行風が抜ける場所であることとフレームにネジ留めすることでレギュレーターの発する熱の一部はフレームに逃げる、という目論見です。