2022/07/06
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ゴリラ・オフロード仕様-28:自作バックステップの製作1/2

※2017年・夏頃の作業です。

フロントのブレーキキャリパーとステップのどちらを先に作業しようか迷ったのですが、完成するまでの不安の大きなステップから先に着手です。

モンキー/ゴリラ用のバックステップはブランド品/ノーブランド品合わせて各社から様々なものが出ていますが、定番品はあっても決定版らしきものはなかなかありません。

そんなわけで他車の純正ステップを流用しつつ自作するという作戦でいきます!

流用するのはヤマハXJR1300の純正ステップ&ペダルASSYです。


なぜこれにしたかというと
・ステップのシャフトにブレーキペダル/シフトペダルが同軸構造となっている
・ヒールガードやマスターマウントまで一体のステップベース
・ステップ本体自体はボルト2本のみで脱着できる構造
要はこのユニットさえあれば、ステッププレートを作るのみでイケるということですね。
今回の場合、(シフトリンケージなどこまごました部品は必要ですが)自作バックステップの製作=ステッププレートの作成と言えるかと。

まずステップのだいたいの位置を決めます。シートの真下あたり、膝が軽く曲がる位置です。純正よりはかなり後退かつ位置も下がりますが、純正の位置自体が割と特殊なので。


そもそもモンキー/ゴリラのフレームにはステッププレートをマウントするネジ穴自体がありませんので、ネジ穴を増設するためのホルダーを作成します。A2017材に大まかなカッティングラインをマジックで書きます。


これだけ見ると謎の落書きですね...
ヒトがボールを壁に投げてるような壁画ですね(汗)

フライスで切削します。現物合わせで切削していきますので割と場当たり的な作業です。左右分2つ作りますので2つの寸法がバッチリ合っていることが何よりも重要です。


こんなんが出来ました。これじゃどこにどういうふうに使うかも全くわかりませんね...


16mm口径のロッドをマウントするようになっています、このロッドが「ステッププレートをマウントするネジ穴」の一端になります。で、これをどこにマウントするかというと...


エンジンの底、つまり車体の底です。これでステッププレートの下側をマウントする足掛かりができました。暫定で適当なシャフトを嵌めていますが、この段階ではステッププレートの固定をメネジにするかオネジにするかも決めてないです。


下側から見ると底はどんな風になっているかというと、こんな感じです。既にGクラフトの「横型エンジン用 エンジンマウント補強プレート39407」という部品がついていますので、これにぴったりと張り付くように共締めマウントしています。
※この画像は完成後の撮影ですのでサイドスタンドとかついてます。

横から見ると以下のような感じです。Gクラフトの横型エンジン用 エンジンマウント補強プレート(名前、長ぇよ)によって車体底部に平面を作ってくれているので非常に好都合だったわけです。

ちなみにこの「横型エンジン用 エンジンマウント補強プレート」、ノーマルステップ&サイドスタンドは使用可能ですが、プレートの厚み分、これらが下に下がりますのでサイドスタンドなどはアジャスタブルにする必要があります。
詳しくはGクラフトの商品紹介ページへ


で、もう一度、ステップの位置を再確認します。こうすることでどういう形状のステッププレートにするのがよいか、何となく形が浮かんできます。


完成後の形状も頭に浮かびましたのでステッププレートの素材は15mm厚のA5083材に決定です。


アルミ素材の選定ですが、ワタクシなりに下記の基準があります。

・A2017:2000番台はいわゆるジュラルミンってやつです。強度要求が重要な部分、見た目よりも強度優先の箇所に使います。それなりのトルクで閉めるメネジを設ける必要がある場合もこれ、割と安価ですが曇りやすいのです。とても切削しやすい素材、溶接不可です。

・A5052:安価で腐食しづらい(粉吹きしづらい)素材ですが強度は今ひとつなので、強度よりも美観を優先する部分、アルマイトの発色もよいのでアルマイト仕上げにも適してます。

・A5083:やや高価、A5052以上の強度はあるので、そこそこ強度が必要でかつ腐食しづらい5000番台ということで美観も重要な箇所、ステッププレートなんかこの典型かと。

・A6061(T6):T6処理されたものはA2017に近い強度ながら溶接も可能という素材、高価な素材でお値段高めのロードバイクやMTBのアルミフレームなんかにも使われています。お値段安めのアルミフレームはA7001だったりしますね。

・A7075:最高強度のジュラルミン、超々ジュラルミンってやつです。とても高価です。原付クラスであれば大抵の場合はA2017の強度で十分なことがほとんどなので今回は出番なしです。ワタクシのメインのリッターバイクのディスクインナーローターはA7075削り出しワンオフという贅沢品だったりします。

・A1001:純アルミ。柔らかくて部品としての用途は非常に限られます。今回はリアマスターのリザーバータンクのマウントに使ってるくらいですね。ヤスリでサクサク削れるのでパーツの試作品なんかを作ったりするときにも使ったりします。

自作バックステップの製作2/2に続きます...