2022/07/26
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ゴリラ・オフロード仕様-48:ギアポジションセンサーの組み込み

※2022/8中旬まで、ゴリラ・オフロード仕様製作は毎朝1話ずつ公開されます。

採用した汎用の中華デジタルメーター(SS182)にはギアポジション表示があります。せっかくなのでギアの表示ができるよう、ギアポジションセンサーを組み込みます。

使用するパーツはこちら、
・ギアポジションコンタクトプレート(純正品番24320-KLF-850)
・4速リターン用ギアポジションセンサー
ですが、後述しますが前者のギアポジションコンタクトプレートはこのエンジン(ゴリラ12Vのエンジン)には口径が大きすぎて使えませんでした。後述で代替品が出てきます。


4速リターン用ギアポジションセンサーはAliExxpressで購入した中華横型エンジン用で、下記の商品になります。とりあえず出品リンクを3つほど。

5 Wire Gear Position Sensor For 50cc 70cc 90cc 110cc 125cc ATV Quad Dirt Pit Bike Go Kart Buggy Motorcycle Motocross
出品リンクその1
出品リンクその2
出品リンクその3


ワタクシのものと接点の形状が少し異なりますが、注文して届いたものがワタクシの使っているものなので機能上は問題ないはずです(形状は違いますが各接点の位置関係は同じ)。

少し高値になりますがアマゾンでも売っています(発送元は中国と思いますが)。

下記の接点のタイプのセンサーはゴリラの4速リターン車には使用できないので注意してください。


では組み込み作業です。

まず、ジェネレーターカバーを外し、ドライブスプロケの上部にあるギアポジション検出ネジ穴にコンタクトプレートをセットします...セットします.......あれ?ん?


コンタクトプレートが穴に入りません...

ホンダ純正のコンタクトプレート24320-KLF-850の直径は22mm、一方、エンジン側の穴の口径は19mmです。物理的に無理。

コンタクトプレートの口径を図るとギリギリ18.5mmくらいまで外周を削れそうなので淡い期待を込めて旋盤で削ってみました...


旋盤のバイトが銅の接点プレートに触れた瞬間にぶっ壊れました(笑)


そんなこんなでアマゾンで中華横型用のギアポジションセンサーセットを購入しました。センサーが中華横型なので、中華横型用のギアポジションセンサーセットに同梱のコンタクトプレートならいけるだろうと、使うのは赤丸で囲んだコンタクトプレートのみ!


これですよ、これ、口径を測ると約18mm、ばっちりです。裏側についてる周り止めのピンは除去します。ついでに銅の接点部分を少し起こしておきます。


コンタクトプレートを組み込みます。本来はコンタクトプレートにある周り留めのピンでコンタクトプレートの取り付け角度が決定&固定されるのですが、ゴリラ12Vのエンジンにはありませんので角度は試行錯誤です。ギアチェンジをするとコンタクトプレートがカクッカクッと回りますので、センサー側の5箇所の各接点とちょうど合う位置でコンタクトプレートを決めてボルトをしっかりと締めます(センサーの取り付け角度は突起の嵌め込みで固定です)。


できればメーター側と結線してコンタクトプレートの角度を決めたいところですが、このセンサーのコネクタのどれが何速なのか分からなかったので、結局この方法となりました。

センサーからの配線の取り出しのためにジェネレーターカバーに切り欠きを入れます。少しキツめになるよう嵌め合いを確認しながら慎重に。


センサーの出っ張りが少し大きいのでセンサーに当たる部分にもリューターで削ります。


センサーから出ている配線をコネクターから外し、1本1本メーター側の配線と結んでどれが何速かどれがニュートラルかを探ってメモします。電流の行き先はGNDなので間違えて結線しても壊れませんので落ち着いて探ってOKです。


ただしく結線されていればこのように1速〜4速のギアポジションが表示され、ニュートラルに入ればギア表示は0になりニュートラルランプも点灯します。
※元々エンジン側から出ていたニュートラルランプに繋ぐケーブルを使ってもよいですし、ギアポジションセンサー側のニュートラル検出時のケーブル、どちらも機能上は同じです。ワタクシは前者を使い後者を除去しました。


最後に配線を防水コネクターにして接続完了です!


余談ですが、完成後のシェイクダウン時に非常にギアチャンジが硬く、ギア抜けやチェンジ不良が多発したのですが(現在は改善)、そのときこのギアポジション表示は非常に役に立ちました。
・きちんとギアチェンジが完了していないと無表示になるので状態が把握しやすい
・硬いギアチェンジが何速と何速の間なのか容易に知ることができた。
・5速6速のバイクに乗り慣れているので4速であることをチラ見で確認したりとか。
ギアポジション表示、昔から単に興味本位の機能かとタカをくくってましたが、便利ですね。

2022/07/25
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ゴリラ・オフロード仕様-47:電装の固定方法検討

※2022/8中旬まで、ゴリラ・オフロード仕様製作は毎朝1話ずつ公開されます。

前記事(ヘッドライトリレーの組み込み)でチラっと触れましたが、多数の電装類のコネクタをどこに固定するかというのは結構悩ましいテーマだったりします。

純正ではヘッドライトケースの中とバッテリの脇に収納されてます。
フロントカウルの類があるバイクであればその内側に収納。
ネイキッドの中大型の多くはタンクの裏側に収納。

モンキー/ゴリラの場合、サイズ的な制約が多いのですが、幸いにしてゴリラはタンク裏側のトンネルにかなりの余裕がありますのでそこへ集中させることにしましたデス。

とはいえ、フレームのバックボーンにタイラップで縛り付けるだけでは見た目もメンテナンス性も悪いのでアルミのプレートを敷くことにしました。このアルミプレートにベルト用の穴を開け、開閉タイプのタイラップで固定します。


プレートの前部はタンクマウントのブリッジにネジ穴を作りネジ留め、後部はバックボーンにある既存のネジ穴を利用してマウント、このプレートにコネクタ類を並べます。ついでにレギュレーターもこのアルミプレートにベタでネジ留めすることでレギュレーターの放熱にも有利という一石二鳥作戦です。


画像でお気づきかと思いますが、採用している防水コネクターって普通のコネクタよりも大きいのですが、これならかなりの余裕を持って収納できそうです。


後部のヘッドライトのリレーへの配線はかつてレギュレーターがあった箇所(バッテリ裏側)で防水キボシで結線しています。

未処理の白いコネクタはリアブレーキランプのものです。これも防水化しないといけないです。

2022/07/24
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ゴリラ・オフロード仕様-46:ヘッドライトリレーを接続

※2022/8中旬まで、ゴリラ・オフロード仕様製作は毎朝1話ずつ公開されます。

電装系、続きます。
ヘッドライトリレーの接続施工です。低電力のLEDヘッドライトにリレーがいるのかという疑問がありますが、もしかすると将来的にズーマーのハロゲンのデュアルヘッドライトなどに交換するやもしれませんので、リレー化しておきます。

コネクター類は全て防水仕様にしておりますんで、リレーも防水仕様でいきます。届いてビックリ、防水リレーってデカいです。CDは大きさの目安です。


少し手を加えて使います。

まず、OFF時の導通ルートである中央の端子をオミットします。端子をリューターでカットした後、ラバーボンドで覆い、さらにビニテを貼って絶縁しました。




リレーを接続する上でリレーOFF時に生じる逆起電力の対策が必要です。OFFにした瞬間に数千ボルトの電圧が回路を逆流します。対策をしないと例えば自動車の場合はカーオーディオやナビに高電圧の電流が一瞬入ることで誤動作したり最悪壊れます。

対策はどうするかというと以下のページが分かりやすいです:
ダイオードによる保護回路について

要はリレーをON/OFFする配線にダイオードを接続して起電力をループさせるわけですね。このゴリラの場合、デジタルメーターなどが高電圧に弱そうなので対策しておきます。

リレーに接続するプラスマイナスとダイオードの向きに留意して端子側にダイオードを仕込みました。中央の端子をオミットして空きができましたのでそこにダイオードを収納しています。


ダイオードが外れないよう、ゴムブロックをねじ込んでダイオードを押さえるよう固定しました。


想定よりもサイズの大きなリレーですが、どこに設置するかとうと、第1案がフレームのバックボーン上。


しかし、バックボーン上に設置するとレギュレーターやこれから接続する多くのコネクタの行き場がなくなってしまうので却下。

シート下が空いているのでシート下に設置することにしました。ヘッドライトへの配線が少し長くなりますが、シート一つ分の延長くらいなら問題なし。


リレーから出ている赤い配線に繋がっているのは防水のヒューズボックスです。ついでにコネクタ類やレギュレーターなどをフレームのバックボーン上に固定してみました。

この状態でタンク&シートと干渉しないかチェックしました、問題なしです!


2022/07/23
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ゴリラ・オフロード仕様-45:電装系の配線作業

※2022/8中旬まで、ゴリラ・オフロード仕様製作は毎朝1話ずつ公開されます。

メーターの位置も確定し全波化も完了ということで電装系を結線していきます。

まずは純正のハンドルスイッチとイグニッションをメインハーネスに接続し「電装系が生きていること」を確認しました。


次にメインハーネス中の不要な配線を排除していきます。まずもって不要なのがサイドスタンドの警告灯スイッチの配線です。中央の緑色のコネクターになります。


アマゾンなどでキャンセラーを売っているのですが、ワタクシはぶった切って警告灯OFFになる状態で直結しました。他にも速度警告灯の配線も排除しました。

メインハーネスの外装テープを解して全ての配線を露出させます。灯火類はジェネレーターから出ている旧交流の出力に接続されていますので、これをレギュレーターから出ている直流出力に繋ぎかえました。メインハーネスを解してて謎の機器を発見(中央の赤丸のヤツです)。


配線図で辿るとどうやら交流の配線から直流出力を取り出すためのダイオードユニットのようです。これも不要なので除去します。


メインハーネスを解している状態で何日も放置すると「この配線、なんだっけ?」ってなことになって作業がますます停滞しますので、電装系は一気に片付けます接続可能な配線はどんどん繋いでいきましょう!

今回、ヘッドライトはLED化、メーターは中華汎用デジタル化しますので、純正のヘッドライトケースは無くなります。ということは通常はヘッドライトケースの中で雨風から守られていたコネクタは全て露出することになります。「雨に濡れるとショートして全機能停止!」なんてことにならないよう、接続コネクタは全て防水でいきます。

2pin、3pin、4pin、6pin、10pinの防水コネクターを揃えました!


端子はゴムチューブと共に圧着するなど、やや手間のかかるコネクターですが一定の防水性能はあるようでなかなかの優れものです。細い配線だと防水性はないので注意、ワタクシが使用しているのはAWG-18でチューブにはキツめに入るのでOKです。



難点といえば、普通の110コネクタや250コネクタに比べるとやや大きめなこと。そのため、このコネクタを通すためにテールランプ&リアウインカーで1箇所だけフレームを加工する箇所が出てしましました、しょうがないです。


途中経過です。灯火に繋がるもの、メーターに繋がるものなど仕分けしてロール巻きにしています。


グチャグチャな感じもしますが、これでもかなり進展しているのです!

2022/07/22
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ゴリラ・オフロード仕様-44:電装の全波整流化

※2022/8中旬まで、ゴリラ・オフロード仕様製作は毎朝1話ずつ公開されます。

モンキー/ゴリラなどは原付の多くで採用されている半波整流回路です。一方、中大型バイクの電装は全波整流回路となっています。

ザックリ、何が違うかというと...
・半波整流:ジェネレーターの発電する半分は交流のまま灯火類へ、半分はレギュレーターを介して直流化しバッテリーや灯火類以外の直流回路へ。
・全波整流:ジェネレーターの発電するすべての電力はレギュレーターを介して直流化され、電装は灯火類も含めすべて直流回路。

原付の多くがエンジンの回転に伴って灯火類が反応しているのはこのためです。一方、全波回路の場合、イグニッションONですべての電装がエンジンがかかってなくても使用可能です。

半波整流のままだと灯火類のLED化やデジタルメーターを使う際にちょっと都合が悪いんですね(できないこともないですが、面倒臭い)。

というわけで全波化します。
必要なものは
・フライホイールを外すためのフライホイールプーラーとユニバーサルホルダー
・全波化対応のレギュレーター
・配線とハンダ付けの道具
(一般工具は略)

まず、フライホイールを外しジェネレーターを外します。


ジェネレーターコイルから出ている配線を繋ぎ変えます。
Aの黄色の配線とBのエナメル線をカットし、カットしたAとBを繋ぐ作業から。


まず、Aの黄色線をカットし、延長します。繋いだ部分は熱収縮チューブなどでしっかりと絶縁します。


延長した黄色線をBのエナメル線に繋ぎます。エナメル線は表面にエナメルが塗布されて絶縁しているので黄色線と繋ぐ箇所はサンドペーパーなどでエナメルを削り落としておく必要があります。ここも接続部分は熱収縮チューブなどでしっかりと絶縁します。


これでジェネレーターの全波化は完了。発電した電力は下記画像赤丸で囲んだ黄&白から出力されますので、これをレギュレーターの交流INに向かうように変更します。


レギュレーターへの配線はスマートにまとめるため、最終的には元々のコネクタの配線を経てレギューレーターに繋がるようにするのですが、この段階では今回の作業の結果を早く知りたかったので(せっかち)、暫定的に上記画像の赤丸の部分からカットして直接レギュレーターへ延長という方法をとりました。

これが全波対応のレギュレーターです、アマゾンで比較的評価がよさげなものをチョイスしてみました。純正の半波のレギュレーターの倍の大きさです。


レギュレーターについて、「すぐに壊れた」等の評価が散見されますが、レギュレーターはかなりの熱を持つ上、内部には熱に弱いレギュレータートランジスターが内装されています。レギュレーターは放熱の悪い箇所に設置するとアっちゅう間に壊れます

レギューレーターに繋ぐコネクタです。キボシになっている黄&白にジェネレーターコイルの出力の黄&白を繋げばOK。直流出力は赤が+、緑がGND(−)になります。


今回、このゴリラの配線全般に使うのはAWG-18の太さの配線です。これより細いとキボシなどへの圧着に不安がある細さ、これより太いのは取り回しやデジタルメーターなどの細身のコネクタ端子に圧着しづらいです。


それにしても10色2mずつとか、なんて便利な商品だろうかと。1本ずつ色違いで揃えるのは意外と面倒で費用もかかるんですよね。

ちょっと分かりにくい画像ですが、ジェネレーターコイルからの出力をレギュレーターの交流INに繋いで完成!


レギュレーターは元あった位置からタンク下のフレームにネジ留めに変更。この部分はトンネルになっていて常に走行風が抜ける場所であることとフレームにネジ留めすることでレギュレーターの発する熱の一部はフレームに逃げる、という目論見です。