2022/08/03
320 240

ゴリラ・オフロード仕様-56:フロントブレーキキャリパーのOHと装着

※2022/8中旬まで、ゴリラ・オフロード仕様製作は毎朝1話ずつ公開されます。

フロントブレーキの引き摺り問題ですが、キャリパーのオーバーホールに必要な部品が揃いましたんでキャリパーのオーバーホールを行います。


ブレーキキャリパーは1986年型VFR400(NC21)の右側のみを使用しています。オーバーホールに使用するパーツは以下となります:
・ピストンシール x2:43209-MA3-006
・ダストシール x2:43109-MA3-006
・ピンボルトのブーツ x1:45132-166-016
・ブーツB x1:45133-MA3-006
・ピンプラグ x2:45203-MG3-016
・ブリードニップル x1:43352-268-003

まず、ピストンを抜くのですが、専用の工具がない場合、パッドを外してピストンが出てくるにまかせて何度も握ります。そうするとコロンっとどっちかのピストンが外れます、もう片方も手で引き抜けるくらい飛び出ているはずですので抜き取ります(取れない場合は専用工具、ピストンに傷がつくとアウトなのでプライヤーなどで雑に挟まないこと)。


ピストンが外れたらブレーキホースを外してピストンシールとダストシールも外します。片押しキャリパーですのでブラケット部とキャリパーボディ部に分離します。


歯ブラシなどを使って中性洗剤でよ〜っく洗って乾かします。この作業のときは冬でストーブがありましたので乾燥には便利な季節でした。


古いキャリパーのオーバーホールの要の作業、赤矢印で指すピストンシールとダストシールの溝をクリーニングします。ここは傷をつけるとフルード漏れの原因になりますので慎重かつ丁寧に根気よく作業。ワタクシは鏡面仕上げ用のコンパウンドを綿棒につけ、地道に磨きました。


いかがでしょう?だいぶキレイになったと思います。綿棒+鏡面仕上げ用のコンパウンドではこの辺が限界ですね。溝の中がピカピカになっているのが分かるかと。


上記の溝と同様にピストンも傷をつけるとアウトなので慎重に掃除、キャリパーの外側も歯ブラシや綿棒などを使ってできる限り掃除しました。


スライドピンはキャリパーボディ側、ブラケット側の2本あります。ブレーキの動作に関わる部分ですので腐食や汚れを除去し、ツルツルの状態にし、薄っすらとグリスを塗布します。



新品パーツを組み付けていきます。まずピストンシール(43209-MA3-006)とダストシール(43109-MA3-006)。ダストシールが外側の溝に入ります。組み付け時は薄っすらとブレーキフルードを塗っておきます。


ブラケット部とキャリパーボディ部の合体の際にスライドピンのブーツ類(45132-166-016と45133-MA3-006)を組み付けます。


ブレーキパッドを組み込んだ後、パッドピンのボルトのカバー(ピンプラグ:45203-MG3-016)でパッドピンの蓋をし、ブリードニップル(43352-268-003)を軽くネジ込んでおきます。


ピンプラグは走行中にいつのまにか無くなっていることが多い部品です。ネジ山が少なくマイナスネジなので強く締め付けにくいことが要因かと。


そんな困った部品のピンプラグには組み付けの際、緩いネジロックを塗布しておきます。このスリーボンドのネジロックは永久固定のネジロックと異なり、ゴム系接着剤のような固まり方をして緩みを防ぎ、工具で再びネジを緩めることも容易な緩いタイプ。


これでキャリパーのオーバーホールは完了です。見た目はちょっと汚らしい古いキャリパーですが中身はほぼ新品です。


フロントフォークに装着し、ホースを繋いでフルードをブリードして取り付け完了です。ブリードニップルも新品なのでピカピカです。


マスターの選定、ブレーキホースの選定、ブレーキの引き摺りなどのハードルがありましたが、ようやく完成です。ブレーキホースは現行のスズキGSX-R250のもの、引き摺りもなくなり動作も完璧です!