2022/07/16
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ゴリラ・オフロード仕様-38:保存版・アクセルワイヤーの製作(DIY長さ調整)

※2022/8中旬まで、ゴリラ・オフロード仕様製作は毎朝1話ずつ公開されます。

キャブの次はアクセルワイヤーです。

現状の元からついてたアクセルワイヤーはゴリラ/モンキーの純正ハンドル用ですので、新ハンドルに交換すると長すぎて使えません。


今回はこの長すぎるアクセルワイヤーの長さをDIYで短縮調整する作業です。ワイヤーの先端形状が異なるだけでクラッチワイヤーなどにも応用可能です。

まず、理想とするワイヤーの長さの目星をつけ、先端が来て欲しい箇所(最終的に切断する箇所)に油性マジックで印をつけます。


マジックの印は作業中に擦れて見えにくくなる可能性もありますんで、念のため切断長を計測しておきます。今回はだいたい10cmくらい短くします。


ワイヤーアウター(ワイヤーハウジング)側にも印をつけます。マジックでは書けませんのでテープを使いました。


完成品が短すぎると使用不能なゴミになってしまうので、ワイヤーもアウターも気持ち長め(数mm程度)に製作します。

ワイヤーを切断します。この段階では最終目的の長さでは切らず、先端部分だけ切り落とします。切断にはワイヤーカッターが必須です。ワイヤー鋼はペンチで切るとペンチを痛めます。


ワイヤー先端部の留め部のサイズ計測をします。直径3.03と出てますが3.0mmですね。


ワイヤーの太さも計測しました、1.6mm。


旋盤で先端の留め部と同じサイズ(外径3.0mm、内径1.6mm)の部品を作成します。今回使ったのはA2017の端材。




ワイヤーを作成した先端の留め部パーツに通し、目的の長さの箇所にこの留め部パーツを合わせます。ここで先端の留め部パーツから2mmほどワイヤーが出る長さで切断します。丁度の長さで切るとこの後のハンダ流し込みがし辛くなります。


留め部パーツからワイヤーを少し多めに出してワイヤー先端を少しほぐします。留め部パーツは画像には写っていませんが、抜かずに移動しています。


ほぐした先端部へ再び留め部パーツを移動します。内径はワイヤーサイズになっていますので抜けずにほぐした先端部で止まる感じですね(これで完成ではないですよ、もうひと手間)。


留め部パーツの前後(赤矢印の箇所)にフラックスを流し込んで溶けたハンダをワイヤーに浸透させるような感じでハンダづけ(流し込み)をします。



仕上げにグラインダーで先端を整えればワイヤーの長さ調整は完了です!ハンダを浸透させたワイヤーが先端パーツよりも物理的に太いので抜けることはないです。


次にワイヤーアウター(ワイヤーハウジング)の長さ調整です。

ワイヤーアウターも内部の巻線はワイヤーと同質の鋼材ですのでワイヤーカッターで切断します(グラインダーでも可)。


ワイヤーカッターで切断した場合、当然ながら内部の巻線が潰れて汚いのでグラインダーで整えます。




グラインダーで削った後は内径側にバリが出来ますので丸ヤスリでバリを除去します。


最後にワイヤーアウター(ワイヤーハウジング)の先端にキャップをつけなければいけませんが、このアウターの太さの場合、MTBで使ってたブレーキワイヤーのアウターキャップがドンピシャなので流用することにしました、なければ旋盤で同サイズのものを作るところですが。



アウターキャップはカシめる必要はないです。こだわる方は締め付け締結用の電工ペンチなどでカシめてください。

最後に取り付けて完成であります!


画像が多く旋盤を使ったりしていますので、手間と時間のかかる作業に見えますが作業に要した時間は1時間強くらいです(実際、大した作業ではないですし...)。

2022/07/15
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ゴリラ・オフロード仕様-37:キャブレターの掃除

※2022/8中旬まで、ゴリラ・オフロード仕様製作は毎朝1話ずつ公開されます。

納車時に始動確認と試乗はしているのですが、カスタマイズを開始した5年から全くエンジンをかけていないです。さすがに電装系の改造に入る前に始動確認くらいはしておいた方がいいかな、と思いましたんでキャブ掃除します。

前オーナー?前々オーナー?の保管状態がいまいちだったため、キャブもチョークレバーに錆があったりと、かわいそうな状態です。


分解整備がしやすいのがPCキャブのよいところ。納車時にキャブの仕様の説明は聞いていなかったのですが、計測するとPC18キャブのようです。

ジェット類など、バラせるものは全てバラしてキャブクリーナー/パーツクリーナー/シンナーを駆使して掃除していきます。ジェットの細い穴に固着した滓などは細く削った爪楊枝でグリグリ掃除していきます。爪楊枝を使うことで真鍮製のジェットに傷をつけずに掃除ができます。


組み立て時にフロートやパッキンのゴムが硬化してることに気づいたのですが、とりあえず始動確認だけは先にしたいのでそれらは後で交換することにして組み立てます。

ガソリンやエアの流路や密閉に関係ない箇所や外観部分、インテークなどはリューターに真鍮のワイヤーブラシをつけて磨きました。


それほど汚れてないように見えますが、ワイヤーブラシを当てるや堆積したアルミの腐食粉が舞い、後で鼻をかむと鼻の穴の中が真っ黒っす。

掃除完了。


そこそこキレイにはなったと思います。88ccでPC18はちょっと小さい気もしますが、とにかく始動したい!

※後日始動時、案の定、ガソリン漏れました...(笑)

2022/07/14
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ゴリラ・オフロード仕様-36:再びサイドスタンド製作その2

※2022/8中旬まで、ゴリラ・オフロード仕様製作は毎朝1話ずつ公開されます。

前回記事に引き続きサイドスタンドの製作です。

純正のサイドスタンドから部品を採取します。採取する部品は
・スタンドバー
・スタンド支点部
・ボルト&ナット
・スプリング


右の3mm厚のスチールのジャンクパーツと組み合わせて新たな支点を作成します。


グラインダーで純正サイドスタンドの支点部を切断します。切った貼ったの作業が多いので自ずとグラインダーの使い方も上手くなっていくような気がします。


バッテリー溶接登場、今回のゴリラのカスタマイズでは大活躍です。単純な溶接セットですがアークも安定していて十分すぎる性能です。


切り取ったスタンドの支点部とジャンクパーツを溶接してこんなん出来ましたー


上記のパーツにネジ穴を開けて仮組みしてみます。こんな感じになります(いいぞいいぞ)。


ここで車体の底部のステンレスのアングル材の方にもう少し剛性があった方が良さげなので補強部材を溶接します(ステンレス用の溶棒を買っといてよかった)。ついでにスタンドバーも鉄の丸パイプを溶接で継いで少し延長します。


ステンレスの方がアークが飛びやすく安定していますね、つかステンレスの場合は24vでもいいかも。

補強した支点部と延長したスタンドバーを仮組みしてみました。


さすが自転車用のスタンドとは剛性がまるで違います(当たり前か)。だいたいスタンドの角度が決まったので、スタンドバーの先端の足部分の角度を調節して溶接しました。下記の画像は溶接跡などをグラインダーで均したところまで作業したものです。


仕上げ作業です。パテ埋めや塗装を行います。

まず支点部はプラサフ→ブラックで塗装→ウレタンクリアでコート(2週間ほどかかってます)。


スタンドのバーは溶接跡のス穴やパイプ素材間の段差などありますのでポリパテで整えました。画像はポリパテを塗った直後、効果後にサンディングして均します。


スタンドのバーも同様に塗装し、これでサイドスタンドの全ての部品が揃いました!

車体へ組み込んで実際にこのスタンドで立たせてみました。


若干アングル材の剛性に少々難がありますが、サイドスタンドとしては十分。チェーンやステップとの関係上、どうしてもサイドスタンドの支点を前に持ってくる必要があるため、このアングル材は必須なんですね。アングル材に変わる何かを考えないといけないです。

しばらくはこれでいきます。


2022/07/13
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ゴリラ・オフロード仕様-35:再びサイドスタンド製作その1

※2022/8中旬まで、ゴリラ・オフロード仕様製作は毎朝1話ずつ公開されます。

現状、暫定対処のサイドスタンドなわけですが...


「なんとか車体は立つ」って程度で実用性ゼロです。

根元のステーの剛性が圧倒的に不足してグラグラします。

いつまでも天井から吊った状態では何かと不便なので腰を据えて作ろうと思います。

モンキー/ゴリラの元々のサイドスタンドってどうなっているかというと、こういう風になっています。

暫定対処サイドスタンドと比べるとこんな感じです、純正サイドスタンドはとても逞しく頑丈な作りなのがわかります。


ウチのゴリラの場合
・ホイール口径を大きくしている
・スイングアーム垂れ角も大きい
・バックステップ化でステップユニット自体が装着できない。

という事情があり100%自作しないといけないのです。


ちなみにこの「横型エンジン用 エンジンマウント補強プレート」、ノーマルステップ&サイドスタンドは使用可能ですが、プレートの厚み分、これらが下に下がりますのでサイドスタンドなどはアジャスタブルにする必要があります。

詳しくはGクラフトの商品紹介ページへ

まずステーから、素材はガレージにあった3mm厚のステンレスアングル材。カットしたり穴あけははなかなか難儀でした。


これを車体下部の元々のステップユニットのネジ穴と共締めにしてマウントすればいいかなと。必然的にスタンドのバーは長めになりますんで、折りたたんだときにステップや先っぽがチェーンに干渉しない位置に支点を設定しないといけません。


というわけでカットしたアングル材にスタンドをマウントするネジ穴をあけて実際にマウントしてみました。


いやもう見るからにバーの剛性が足りない。自転車用なので当たり前か...

畳んだときのチェーンへの干渉もないです。


これでサイドスタンドの支点の位置やバーの長さなどがはっきりしましたので本製作には非常に有効な作業となりました。

ところでこのNUVOの自転車用のスタンド、ロードバイクやMTBに使うもので安い割に質感などはなかなかのものです。今回はゴリラに使ったので写っていませんが自転車用のマウントがちゃんと付属しています。



スタンドの角度、バーの長さもアジャスタブルになっており、ロードバイクやMTBなら剛性も十分です。次回、スタンドバー部分を本製作です。

2022/07/12
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ゴリラ・オフロード仕様-34:ガソリンタンク落下&補修塗装

※2022/8中旬まで、ゴリラ・オフロード仕様製作は毎朝1話ずつ公開されます。

キャブや電装関係の作業をするため、ガソリンタンクを常に外した状態にするわけですが、その間、ガソリンタンクをどこに置いておくかというと...タンクのマウントネジ穴を使って天井から吊るしてたのです。

が、マウントネジ穴をフックに掛けたと思って手を離した瞬間、タンクが床に落下、がっつり傷が入り塗装も一部剥がれましたがな(涙)

※画像は傷の部分にサンドペーパーをかけた状態のものです

このフックに掛けたと思ったら掛かってなかった...んぁー


全て塗り直すか傷の部分だけ補修するかで悩みましたが、全体の剥離作業〜下地処理なんかの作業が再び発生するので傷部分だけ補修することに。

※ここからは数日に渡る作業です。

傷の箇所をサンディングし、パテ/瞬間接着剤/サーフェーサーなどを使って傷を埋めました。下地は仕上げにまで影響するので念入りに。


触感や光にかざして傷跡が無くなった状態になったところでプラサフを塗ります。


微細な凹凸などが残っていればプラサフの時点で分かるので残っていればサーフェーサーを筆でチョンチョンと乗せて乾燥後に再び研磨〜プラサフ塗りを行います。

傷を完全に隠蔽した段階で黒の塗装〜1週間ほど放置乾燥〜黒の塗装の研磨〜ウレタンクリア塗装と行った状態です(ここまで約10日ほどかかってます)。ウレタンクリアは全体を磨き直しますので全体に再塗装してます。

ウレタンクリアも塗っただけでは鏡面は出ませんので(艶はあるんだけど塗装の波打ちで平滑ではないんですね、気にしない人はそのままでいいかも)完全平滑を出すために当て板を当てたペーパーでサンディングします。


どの程度までサンディングするかというと、全体的に均一な艶消し状態になるまで。


ここからコンパウンドで根気よく磨いていきます。
ワタクシが使っているコンパウンドはこれ、サラっとした液状で艶も出やすいです。


磨きに使用する布は綿100%の古Tシャツなどです。化学繊維に含まれるナイロンやポリエステルは拭き傷だらけになります。最初は強めに磨き、鏡面に近くにつれ力を弱める感じで磨きます。

頑張って磨くととこんな状態になります。


歪みのない鏡のような映り込みが復活。

せっかく磨いても洗車などで傷が入ったりしちゃうんですけどね〜最初くらいはピカピカであって欲しいので。