※2017年・夏頃の作業です。
フロントブレーキのキャリパーサポートの製作です。
フロントフォークはXR50/XR100モタードの純正フォークです(もしかするとAPEやCBX125Fなんかもキャリパー取り付けピッチは同じかもしれません)。このフォークにVFR400(NC21)の右ブレーキキャリパーを取り付けます。
NC21のキャリパーは型押し2ポッド、ホンダ流にいうとデュアルピストンキャリパーってやつですね。なぜこのキャリパーを選んだかというと、このキャリパーの見た目が大好きなのです。
キャリパーサポートの製作ですが、図面などは描きません、現物合わせながら高精度なキャリパーサポートを作っていく手順になります。
まずはキャリパーをフォークのマウント部に対してどこに位置すればよいのか合わせます。フォークマウントやパッドのローターへの当たり方からしてだいたいこの辺りですね。
概ねの位置が決まったら各ネジ穴の位置関係を透明プラ板に写し取ります。少し見辛いですが画像の青枠で囲んだ部分に透明プラ板を貼っています。
透明プラ板のネジ穴に当たる位置に記しをつけています。ノギスや分度器などで位置関係やそれぞれの傾きの角度をチマチマ計測するよりも、いい加減なようでこれが意外と正確にネジ穴の位置関係を記すことができます。
こんな感じでネジ穴の位置関係を透明プラ板に採取できました。
この透明プラ板の形状とネジ穴に忠実にアルミブロックを切削加工します。強度が重要な要素になりますので素材はA2017(ジュラルミン)です。
正確にネジ穴を開けられたか試しにキャリパーをマウントしてみると遊びもなくカッチリとマウントできます、バッチリです!
次にローターに対するキャリパーセンターの位置を割り出し、キャリパーサポートにオフセット切削を入れるのですが、ここで問題発生です。
ローターに対してキャリパーセンターを位置付けようとするとキャリパーがホイール(スポーク)に少しばかり接触します。足回りのカスタマイズでは稀にあります。
どのように対処するかというとキャリパーを切削します。切削後、画像にあるような厚みが残りますので、強度はまず問題はないでしょう。
このようなことはキャストホイール前提のキャリパーをスポークホイールに使おうとすると稀ではないかもしれません。
次にローターにキャリパーセンターを合わせ、キャリパーサポートからのオフセット値を計測します。8.04と出てますが8mmですね。
いきなりキャリパーサポートを切削するのではなく、本当に8mmのオフセットでキャリパーセンターが出るのか、まずは8mmのスペーサーを作って検証します。赤矢印で指しているものが8mmスペーサー。
結果、8mmのオフセットで正解ということでキャリパーサポートに8mmのオフセットの段を掘り込み、さらに強度に対して不要な部分や過剰な部分をフライスで切削して形を整え、キャリパーサポートは完成です。
キャリパーを取り付けてみます。
使用ネジはSCM435の強度区分10.9の高耐力ボルトです。
我ながら素晴らしい出来栄えです!
これで足回りのフィッティングはほぼ完了となります。あとは電装関係や細かい部分を作り込んでいく作業が中心なります。ちなみにワタクシ、電装系の作業は超苦手です(笑)。