2017/11/13
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白いMTBのその後:デュアコンXT化とホイール交換

※当記事は回想記事です

DirtWorks号、
・デュアコンをLX ST-M585からXT ST-M775へ交換
・MTB用Goodridgeステンメッシュブレーキホースに交換
・ホイールをNS-BIKE+Novatecハブへ交換
を行ったときのレポートです。

デュアルコントロールレバーの交換

DirtWorks号はブレーキレバー&シフターが一体化したデュアルコントロールレバー、通称デュアコンを使っておりました。下の画像が油圧ディスクブレーキレバーと一体となったデュアコンです(シマノ:ST-M585、LXグレードです)。
これなんですが、見ての通り、レバー側がシフターユニットとなっているために、レバー自体に重量がありますんで操作感は一種独特のものがあります(操作感が悪いという意味ではないです)、また転倒時のレバー破損は甚大な被害を被りかねません。なによりも、見た目がゴツく、お世辞にもカッコよいとはいえません。

で、たまたまCRCのサイトを見ていたら、XTのデュアコンST-M775が爆安で売ってるではあーりませんか、ということでサクっと購入。

新しいST-M775はボディ側にシフターユニットも油圧ディスクブレーキのマスターユニットも纏められた形状になりました。これ以前のモデルはXT(ST-M765)でさえ前述のST-M585と同じくレバー側にシフターユニットがありました。
レバー付け根の回転軸を中心にレバーを上下する形式になりましたので、操作感もスムーズです。何よりも見た目がカッコよくなりました(とはいえ、まだまだ無骨感は否めませんが)

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せっかくなので、ブレーキホースも一緒に購入して取り替えることにしました。
フラットバーとライザーバーを状況に応じて使い分けたりもしますので、ブレーキホースの長さを最も必要とするライザーバーでブレーキホースの長さを合わせます。
ライザーバーはRACEFACEのRESPONDです。ライズは1.5だっけかな、大きめにライズしているものが好きです。ステムはSPANK 1.5 Timerのホワイトです。

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さて、ホースですが、この時期、お小遣いが潤沢にあったおかげでGoodridgeのステンメッシュホースにいたしました。白の外観ですが、中身はステンメッシュとなっております。フィッティングパーツはGoodridgeから出ているシマノストレート用を使います。

組み立てはちょっとコツがいりますが、慣れればマンドレールなどの工具は必要なく行えます。下の画像は別の機会の折りにシマノXT BR-M755用のホースを作ってる際のものです(ブルーの部品の形状がバンジョーかストレートの違いだけで基本同じです)。この最初のカラー部品(赤いの)がホースの口径にキッチキチですので挿入するのがコツがいります。ブルーの先端部部品は、細い部分のネジのみホースに半分ほど入るよう入り口を少しだけ広げて挿入しネジ込みます。

前後で合計1万円近くするホースですが、ストレートタイプの場合、シマノ純正のオリーブタイプと違って、何度も取り付け取り外しが行える、長過ぎた場合の調整はオリーブなどの部品を要しないことなど、それなりのメリットがあります。純正オリーブタイプはオリーブを潰して圧着するので、取り外して再取り付けはオリーブを交換しないとできません。

取り付けるとこのような感じになります。
ライザーバーへの変更を可能にしてますので、ホースは少し長めです。

ちょっと分かりにくいですが、ST-M775はブレーキフルードのブリーディング(エア抜き)をする際はレバーの固定ネジを緩め、クルっと180度向きを変えるとフルードの蓋があります(少し作業しづらいです)。

で、MTBにステンメッシュホースが必要か?というと、結論から言うと普通の用途ではまず必要ないです。シマノの純正ホースが膨張するほど(そこまで握れるかという疑問もありますが)レバー握ると、まず間違いなくロックします(笑)。強めにブレーキを握りっぱなしの過酷なダウンヒルなんかでは、レバーへの入力が少しでも小さくて済みますので、もしかすると有効かもしれません。
というわけで、自己満ですね...

ホイールの交換

なんでこのホイール交換をしたかというと、シュワルベのBIG APPLEやGEAXのTATOOやボントレガーのHANKなど、ファットなスリックタイヤ(2.2〜2.3インチ)を入れるために、リム幅が28〜32mmくらいのホイールが欲しかったんです。通常の18〜21mmリムに2.3インチタイヤを装着しても、実際は特に問題はないんですが、見た目の問題ですかな(気持ちよく乗るには、見た目の問題は重要です)

下記の構成で組んだホイールです:
フロントハブ:Novatec D041SB
リアハブ:Novatec D042SB
リム:NS Bikes Fundamental Rim
スポーク&ニップル:DT SWISS(ショップにお任せ)
ディスクローター:HOPEフローティング
リアスプロケ:SRAM PG-990 11-34(9s)


ワタクシ、ホイール組はできませんので、お世話になっているショップ様に持ち込みで組んで頂きました(持ち込み(ただし新品部品に限る)を快く引き受けてくださる貴重なショップ様です)。スポークは長さの計算など難しいですし...スポークのテンションの固さの好みとか指定して組んでいただきました。もぅバッチリです。

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HOPEのフローティングローターです、林道の長い下りなんかでは最初から最後までブレーキ引きずりっぱなしで下ったりしてローターが紫変するほど熱が入って若干反りもしますので、ステンメッシュホースと違って、これはこれで一般用途でも割と有用な部品だったりします。

Novatecのハブです、D041/D042はディスク対応では最も安価なモデルですが、他の安価なハブと違ってローター取り付け面は切削処理を施されていたり、ベアリングは日本製(NSK)製のベアリングが使われていたり、仕上げもキレイで上質なクイックが付属していたりと、かなりキチンとしていてお得なハブです。私、個人的には超オススメです。


フレームデカールの変更

前オーナーの放置がながかったせいでフレームデカールが黒ずんで汚かったのです。いちお、この当時はDirtWorksのWebサイトがありましたので、フレームでカールのみ売って欲しい件をメールで打診したのですが、返事なし。
ということで、別のフレームメーカーのデカールを貼るわけにもいかないしってことで、フレームを製造してない部品メーカーのデカールを貼ることにしましたデスよ(ロゴデザインとして大好きなsyncrosです)。

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ちと、画質が悪いですが、これが出来上がって嫁とともにポタリングしたときのもの(クランクが変わってますが、後日、別記事で変更時のレポ書きます)。レッド&ホワイトでキレイなMTBです。奥のSCHWINN号はワタクシのです。

こうして画像見ると、DirtWorks号はデカいです(ウチの嫁は170cmくらいあるので、乗った状態ではそれほど違和感はないです)。ポタリング程度ならいんですが、これでオフロード走ると大きくて振り回せないですね。
2017/11/11
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白いMTBのその後:フォーク&ステム&ヘッド交換

※当記事は回想記事です

白いMTBこと、DirtWorks Cannibalのその後の余生です。

組み上げて早々の1ヶ月後、コイツでXCレースに...
 「嫁用のMTB」として製作したのですが、ふと「これ、レースに使うのに丁度いいな、レースでデュアコンの威力も試したいし、レース実績は何よりも重要」とかなんとか思ってたら、これでエントリーしてました。もちろん、タイヤはオフロード用(TIOGA FACTORYのケブラービードだったかな)、グリップとサドルだけは泥汚れが取れなくなるので黒に換えましたが、ドロドロです。ちなみに、レース結果は散々でした...あぁ


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その後、スリックに戻して街乗りなんかに使ってたんですが、オイラ専用に使ってるSCHWINN Homegrown号とフォークを共用できればいいなぁ、とか余計な計画を思いついて、ヘッドパーツをSCHWINN号と同じFSA orbit MXに変更。

まずはビフォーから、RSなどという台湾製のクリキンっぽいヘッドパーツに中華製の謎のSELCOFステム。両方ともeBayで買ったものですが、これはこれで機能上、特に問題はなかったです。

ヘッドパーツを抜きます。下の画像がヘッドパーツのリムーバー、フレア状になっている箇所でヘッドを引っ掛けてハンマーで打ち出します。
あまり出番のない工具ですが、そう高い工具ではないので、必要な方は持っていて損はないと思います。タガネなんかを当てて打ち抜くよりも安全安心です。


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ヘッドパーツを抜いたところ。きちんとフェイシングしてあります。製造時からなのか、前オーナーが施工したのかは分かりません。

取り外した旧ヘッドであるRS製ヘッド(左)と新ヘッドであるFSA orbit MX。FSAのヘッドはCRCで購入しました。
う〜〜んRS製のヘッド、見ればみるほどクリキンの造りに似てるっす、こういうのがブランドをテキトーにプリントされてピーコ品として出回るのかしらん(汗)

FSAのヘッドを圧入します。以前、ブログの記事でも書きましたが、圧入工具は卓上旋盤で自作したものです(アルミ削り出し!)。

ついでに、これまで使用の謎のSELCOFステムも見た目がスマートで軽量なUNOのASAステムに変更しました。このステム、アルミ製ながら激軽です。


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これまで使用の謎のSELCOFステム(下の黒いステムは無視してください)。どこの製品かは謎ですが、造りはゴツイです。決して粗悪なものではないです。

変更後のKalloy UNOのASAステム。黒い方はSCHWINN号に使おうと思って同時購入したものです(カーボンに見えますが、カーボン柄です)。割と安価なのが助かります。
ちなみに、UNO ASAステムはオンロード用です、MTBのダート走行では使えません。オフロード走行時は謎のSELCOFステムに戻すしかないですな。

変更後のハンドル周りです。グリップはリザードスキン製です。


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アフターの全体図、FOXのフォークに変更して、フォークのクラウン部も白くなりましたんで、純白度UPです(なんのこっちゃ)。他にもディスクローターをHOPE製のフローティングに変更してたりします。
少し走りましたが、FOXのフォーク、やっぱりよかったです。舗装路でのお試しでしたが、アスファルトの細かい凸凹にも追従する感じ、何よりも調整箇所(RLC=
リバウンド+コンプレッション+ロックアウト)が増えたのが嬉しいです。
2017/11/05
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ゴリラ・オフロード仕様-17:フレーム塗装、画像消失、あー

先月末は仕事がチョー忙しかったので、更新が全くできず。
というわけで、久々の更新。

フレームの加工は前回記事で終えましたので、今記事はフレームの塗装です。
と、その前に、画像を整理しててフレーム塗装を行ったあたりの日付の画像を誤ってごっそり消してしまった(無念)。とりあえず、奇跡的に残ってた画像だけで説明の巻。

塗装は、下地造り→下塗り→塗色→上塗り→仕上げ、という行程で進めます。塗る色や塗料などによって多少の差はありますが、だいたいこんなもんです。

これまで、オートバイやクルマの塗装、スピーカーの製作、カーモデルの製作など、様々なものを塗ってきましたが、どのような塗装でも言えることは3つ
・下地造りと下塗りで塗装の善し悪しは概ね決まる
・焦ると失敗する
・ケチると失敗する
であります。

下地作り1
凹みや引っ搔き傷などを埋めます。目安としては、
・大きな凹み:ポリパテやエポキシパテで埋めます
・小さな凹みや大きめの引っ搔き傷:瞬間接着剤で埋めます
・微細な引っ搔き傷等:サーフェーサーや液状パテで埋めます
ポリパテ、安くて使いやすくてよいのですが、大きな凹みや深い凹みを埋めた場合、硬化した後も長い年月をかけて僅かながらパテの体積が減ることがあります。また、ポリパテ独特の気泡抜けの小さな穴が無数に出来たりします。我流ですが、ポリパテが硬化した後に筆塗りの瞬間接着剤をパテ表面に塗って浸透させる、気泡抜けの小さな穴には瞬間接着剤を充填する、という方法で対処します(カーモデルの成型では昔からある手法です)。
特に重要なのは<パテや瞬間接着剤は充分に硬化を待つ>ということですな。
ワイヤーブラシの跡程度の傷は下塗りのサーフェーサーと塗色で埋まりますので、ほとんど気にする必要はないです(埋める必要はないです)。

下地作り2
凹みや傷を埋めた後は、塗料の足付けのために全体を荒めのサンドペーパーで均します。今回は鉄フレームですので、足付けに#250〜#400のサンドペーパーで荒々しく足付けしてます。

下塗り
通常であれば下塗りは「プライマーを塗る→サーフェーサーを塗る」もしくは「プライマーサーフェーサーを塗る」なのですが、今回は冒険的アプローチとして、ジンクスプレーを下塗りします。
ジンクスプレーというのは、ジンク塗料のスプレー、亜鉛含有の下塗り剤です。亜鉛が鉄錆の進行を防ぐという優れモノ、鉄門扉や鉄建造物の下塗りなんかに使われるものです。
一度、試してみたかったんです。

塗ると下の画像のような感じ、手前のプラモは通常のサーフェーサーで塗ったもの。ジンクスプレーはちょっとグレーが濃いです。


下塗りの乾燥は数時間程度で乾きますが、1週間ほど放置です。

サーフェーサーも同様ですが、この後、塗色の重ね塗りと上塗りである程度の厚みを見込んでますので、今回の下塗り終了の段階では、よほどの柚肌でない限りペーパーがけなどは行いません。
もし、この段階で上手く塗れてないときは、問題箇所の下塗りをサンドペーパーで落としてやり直しです(笑)

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−−ここから画像がゴッソリありません、あぁ−−

塗装色での塗色
ここからは焦る心を抑えてのんびり行います。今回、塗装に使った塗料はカースプレーではなく、一般汎用の黒のラッカー塗料(アクリル系)でホムセンで安く売ってるやつです。屋外使用OKなので、一定の耐紫外線性能はあると思います。塗装はスプレーで行いますが、スプレーは一気に塗ってしまわずに塗装を素材に軽く乗せる感じでシュッシュッってな具合で薄く塗る。乾いたら同じような感じで何回も。一通り塗り終えたら一晩くらい寝かせるくらいの余裕を置いて2回目の重ね塗り、ってな感じです。2〜3日かけて塗るつもりで、焦ってはいけません。
下塗りでも同様ですが、塗装時には予期せぬ様々なトラブルが起きます
・塗装面にホコリや虫がついた(屋外で塗ってたりすると小さなブヨみたいなのが寄ってくるんですが、揮発性の匂いが好きなんだろうか?)場合、慌ててとらずにそのまま乾燥させ、乾いたら問題箇所を#600〜800あたりのサンドペーパーで均して再塗装すれば大丈夫です。
・塗料が垂れた場合、塗料が弾かれた場合、これも慌てずそのまま乾燥させ、乾いたら問題箇所をサンドペーパーで均して再塗装です。

塗り終えたら、上塗りまで最低でも1週間は乾燥放置です。なぜかというと、市販の一般向け艶有り色のスプレー塗料は、塗りっぱなしでもある程度の光沢がでるよう、乾きを遅くする成分(リターダーといいます)が含まれていることが多々あるためです。概ね乾いてるけど、強く抑えると指紋跡がついたりとかいう経験をされた方は心当たりあると思います。乾いているようで、実は完全には乾いてないんですね。目立たない箇所を軽く爪で抑えてみて爪痕が残らないのが完全乾燥の目安です。ちなみに当方の経験上、ホムセンで1本300円程度で売ってるラッカー塗料はリターダーの含有量は少ないように思います。

上塗り
充分な日数、乾燥させた後は2液性のウレタンクリアで上塗りします。黒のラッカー塗装のままですと、油脂類やパーツクリーナーでラッカー塗料が溶けてしまうので。2液性のウレタンは一旦硬化すると油脂類やパーツクリーナー程度ではビクともしません。上塗りに使うウレタンクリアはヤフオクで買ったもの、主剤と硬化剤を10:1で混ぜるタイプです。これをエアブラシで垂れる寸前の勢いで一気に厚塗りします。ウレタン塗料は厚塗りすることでテロっとした濡れたような光沢が出ます(希釈剤の割合にもよります)。

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ちなみに、当方は模型用のエアブラシで塗りました(ノズル口径は0.5mm)。正直、突出量がそれなりなのでかなり大変でした。
カー用品店やホムセンでスプレータイプの2液性のウレタン塗料を売ってますが、それでも構いません。ただ、スプレータイプの場合、1回の塗装で使い切らないといけませんので、塗る対象物の大きさによってはちょっと勿体なかったります。

ちなみに、ウレタン塗料の場合、「乾燥」ではなく「硬化」です。塗りやすいように飢渇性の希釈剤を少し加えますが、その成分以外に基本的に乾燥で体積が減るということがなく、塗ったままの厚みで硬化します。

で、塗り終わったフレームがこれ(冒頭の通り、作業中の画像が殆ど残ってないっス)。
この画像は塗り終えて乾燥硬化した後、スイングアーム&リアサスとタンクを装着してみたものです。リアサスはYBR125純正です(これが実はなかなか良いサスだったります)。

2017/10/23
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ゴリラ・オフロード仕様-16:フレーム、ヘッドチューブ延長

仕事忙しくて、久々の更新です。

旧ブログで書いてたプラモの復刻記事が続きましたが、再び、ゴリラのオフロード仕様製作です。

前回の記事では、フレームの錆落としまで終了。放っておくと錆が出ますので、すぐに塗装に入りたいところですが、その前にフレームの加工箇所を片付けます。
フレームの加工は3箇所ありまして、
・ヘッドチューブの延長
・ハンドルストッパーの補強
・ブレーキペダルのステー切除
です。

ヘッドチューブの延長

モンキー・ゴリラのヘッドチューブは短く、他車のステムを流用する場合、かなりのネックとなります。そこで、35mmほどヘッドチューブを延長します。

NSR50などで延長キットが出ているので、それを流用するのもアリなのですが、5000円もしますし、我が家には旋盤がありますんで、自作します。

材料はSS400(いわゆる普通の鉄です)の丸棒材です。
これを旋盤でパイプ状に切削します。SS400は柔らかく粘りがあるため、旋盤でキレイに削るのは非常に難しいです。
上の画像を見てお気づきかと思いますが、立て筋が無数に入っています。これは柔らかく粘りがあるため、旋盤のバイトが食いつき過ぎてしまうんですね。カッターナイフで柔らかい木を削ったときに、刃が素材にサクッと入り過ぎてしまう感覚と同じです。ある程度の固さのある素材の方がキレイに削れるのです。SS400をキレイに削るには、切り込み量、バイトのすくい角、切削速度など、割と熟練が必要だったりします。


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作業している内に概ねキレイに削れる速度や切れ込み量を掴んで、まぁまぁ見れる程に切削出来てます。

下部はヘッドチューブのベアリング が入る箇所に圧入ですので、ベアリング外形と同じサイズ(41.00mm)で精度を厳密に切削します(削り過ぎると一発アウトなので超緊張の作業)。上部はベアリングが圧入される部分ですので、ここも超厳密に41.00mm(実質は40.95mmあたり)で内径を掘ります。

で、これが出来上がりの品、ヘッド延長チューブです。

旋盤やフライスって、揃えるとそれなりの費用がかかりますが、DIY好きの人であれば絶対に元はとれます!現にわたくし、買えば5000円する部品を作ってるわけで(材料は1000円くらいです)。

これをゴリラのフレームのヘッドチューブの上側に圧入します。
圧入はMTBのヘッドパーツの圧入でも使った自作のツールです。

ちなみに、このツールも旋盤で自作したものです

圧入後、ガッツリと溶接します!
念入りに溶接です。このためにバッテリ溶接の練習をしたようなもんです。

 ヤワに見えますが、肉厚はけっこう取っています。強度は充分かと思います。

これにて、ヘッドチューブの延長が完了!

あぁ、これでもう純正に戻すことはできない...


ハンドルストッパーの補強

続いて、ハンドルストッパーの補強です。
元々は、鉄板みたいなプレートが溶接されているのですが、これまで転倒時に簡単に曲がってしまうのを何度も見てますので、元のを切り取って削り出したスチールのブロックをがっちりと溶接します。

このハンドルストッパーの四角いブロックも旋盤にフライスアタッチメントを取り付けて作成したものです、卓上旋盤、万歳!


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ブレーキペダルのステー切除

つぎに3つめの作業、フレームから生えているブレーキペダルを差し込むステーを切断します。なぜ切断するのかというと、バックステップを装着する際に邪魔になるから。ディスクブレーキにしますので、純正のペダルを使うことはもうないですし。



グラインダーでガーっと切断して終了!

次回のゴリラオフロード仕様の記事はフレーム塗装です。
2017/10/14
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カーモデル完成:BMW 3.5CSL Le Mans1976

※復刻版の記事です(2008/01/27)

BMW 3.5CSL Le Mans 1976

アリイ 1/24

<製作過程>

「びーえむだぶりゅ」というよりも、元スーパーカー少年としては「べーえむべー」と呼びたいBMW 3.5CSLです。
モデルは1976のルマンに出場のBMW Alpinaチームのもので、ドライバーはSam Posey,Hughes de Fierlant,Harald Grohsです。結果は10位。
70年代の箱車のシルエットレーサーは大好きなジャンルっす。DTMとは違ったガサツな物々しさがモンスターっぷりを醸し出してカッコいいっす。


このアリイのキットは、元々はオオタキの古いキットで現在は金型がアリイに渡り再販というものっす。モーターライズの古い金型のキットですけど(おそらく70年代末か80年代頃?)、プロポーションも抜群、上げ底になっていなくてドア開閉も可能、パーツの合いも良い秀逸なキットです。ただし、いくつかのパーツは分厚くゴツい上にルーバーなども抜けておらず、さらに内装パーツはかなり省略されていたりと、古い故に甘い部分も多いっす。メッキパーツもいまひとつ。キットのボディは1976と銘打ってるもののフェンダー形状などは基本的に1975仕様(しかしリアウイングは76年型という妙なキットっす)なので、キットは1976年のルマン仕様とはフェンダー形状などがかなり異なってます。
ちゅうことで、今回、ボディは1976 LM仕様にするべく、パテ盛りボディ修正でかなり改造しています。76年型 3.5CSLの「前下がりな姿勢だけど、なぜか尻下がりに見える不思議なボディ」というのは、カラーリングではなく、微妙に抑揚のついたリフェンダーの形状からそういうふうに見えると思うっすけど、今回はそれにこだわってボディ形状を大変更。詳しくは製作過程を見てちょ。デカールはStudio27です。

画像検索しても、サイドステップ部分はどういう形になってるのか不明だったので、あえて見なかったことにしたっすよ。ヘッドライトもイエローかもしれん。その他、参考にしたのは同年のルマンの別車両、1976年型のOH画像、1976 シルバーストーン仕様、1975のIMSA(Daytona?)仕様。
それと、とっても良く出来たFLYのスロットカーやオートアートから出ている1/18の75 3.5CSLも参考にしたっす。GOOGLE大先生がなかったら古本屋で76年頃のオートスポーツを探しまわるハメになるんですけどねぇ、インターネット万歳。が、内装に関する資料はほぼゼロだった、っつーことで内装は素組み&デッチ上げ。


クラシカルなリアの面構え。いかにも「70年代のドイツ車」という雰囲気が素敵です。
キットのクリアパーツは、ウインカーも全てクリアレッドの成形色ちゅうことで、イエローのクリアパーツは全て自作です。リアウイングも自作、燃料タンクも形状変更。オーバーフェンダー自体を作り直しているので、基本的にリア周りはガーニッシュを除き、キットの原型は皆無っすよ。

丁度出張も重なったことで乾燥硬化にはたっぷり時間をかけられたんですけど、盛ったポリパテの量と厚めのウレタンクリアから、数年後にはヒビだらけになるんじゃないかと、今から不安な1台っす。



塗料はクレオスのスーパーブラック→デカール貼り→クレオスのUVカットクリア1回薄吹き→精密屋ウレタンクリアという構成っす。 Studio27のデカールはカルトグラフで発色も隠蔽力抜群、貼り易かったです。 右側のリアフェンダーは「GOOD YEAR」のデカールが大き過ぎて指定通り貼れねぇっす、物理的に絶対無理・・・


とっても気を使って作ったフロントマスク。ウインカーレンズは当然自作。ヘッドライトパーツはクリア感を出すために、エナメルのつやありクリアでコートしてます。古いキットの曇ったようなライトレンズのクリア感を出すには良い方法ですんでお試しあれ。ヘッドライトは立体感を出すために内部に電球チックなパーツも入れてます。
ボンネット先端のメッキモールはアルミテープの千切り。
ブレーキダクトの穴は、キットのまんまだと向こう側が見える単なる穴なので、曲がるストローの蛇腹部分を使ったダクトを仕込んでます。
BMWエンブレムは別パーツ化したこだわりの一品。グリル下のルーバーの裏にはステンメッシュ。
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ボンネットのデカールは、「ボンネットフードのパネルライン=水色と青色のラインの境」ということで、デカール貼るのにオウジョウコイタっす。おまけにボンネット前後左右ギリギリまでないといけないはずのデカールなんですけど、幅が足りてねぇっす。一部タッチアップで汚くなっちまって残念。ウインドウのデカールも寸足らず、リアフェンダーのデカールも変だし、このデカールを使ってキットを組みのテストしたのか謎>Studio27さん

古いキットながら、ウインドウパーツの合わせは素晴らしいです、オオタキバンザイ。
ただし透明度がイマイチなのと透かして見ると微細なウェルドライン(?)が無数にあるっす、糊シロがパーツの断面のみなので接着には難あり。
ボンネットピンとウインドウの留め具はStudio27のBMW 320i Turbo用のエッチングパーツを流用。また欠品パーツだらけのエッチングが増えてしまった、もったいない。ボンネットピンのワイヤーが長過ぎてブサイクというかウルサイ感じになってしまった。ワイパーはモデラーズ製。シートベルトは年代的に赤の派手なものではないだろう、という判断から黒の地味なものに決定。

それとキットのシート、デカいっす、2mくらいの大男用か。内装に関しては、資料がないことをいいことに、それらしくしつつもホントいい加減っす。
大改造のリアフェンダーまわり。元のリアフェンダーはパテに埋まって芯になってるだけという状態です。

ホイールとタイヤは、キット同梱のものは小さくてメッシュも抜けてなくてお粗末過ぎるので、アオシマのシルエットレーサーのブルーバードのものに変更。ブルーバードのホイールは同じBBSながらセンターロックでなく5穴マウントなので、そのホイールに、これまたBMW320i Turboのエッチングパーツのホイールメッシュを使って製作(外周を少し削るだけで、なぜかメッシュがピタリ合います)。センターロックナットは本物の2mmナットの穴を広げて加工したもの。タイヤのGOOD YEARはテンプレート使ってマスキング塗装。ドアノブ、リアフェンダーダクトの仕切り、マフラーは自作品っす。
いちおブレーキも取り付けたけど、見えんなぁ・・・

アオシマのシルエットレーサーシリーズのホイールって、メッシュも抜けてて出来がとても良いので別キットに使う予定でのスカイライン(ホイールはブルーバードと同じ)のやつをさらにパーツ注文したっすよ。

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リアフェンダー上のルーバーは、大穴開けて一枚一枚プラ版を差し込んで作ったものです。こういう部分は現代の金型技術だと再現出来るんでしょうけど、当時の金型技術では出来ないんでしょうね。息を止めて根気の作業。


リアウインドウを押さえるロッドはエッチングパーツのランナーで作ったもの。貧乏性なんで、使用済みエッチングのランナーは捨てずにとってんですよ。リアウイングは、キットのものは「単なる板」だったのでジャンクパーツを漁って幅を合わせて作ったもの(多分アオシマのシルエットブルーバードのやつと思う)。


最初にキットの箱を開けたときは、「デケぇ! ホントに1/24?」と思ったんですけど、BMW 3.0CS/CSLの実車寸法は4660mmとR34 GT-Rよりもデカいクルマっす。ちなみにキットのボディのみの長さは19cmちょいでほぼ実車の1/24のスケール通り。
当時のポルシェ935と並んだ印象や後の320iのコンパクトさから小振りなサイズと思われがち(と思ってんのはオイラだけ?)ですけど、BMW 3.0CS/CSL自体は直6 3Lを積む大柄なラグジュアリークーペっす。E9 3.0CSや3.0CSLについての詳細はココね。3.0CSの後継車が6シリーズでほぼ同寸ってことから、この車のデカさは容易に想像出来るかと・・・空力も悪そうだしデカくて重そうだし、こりゃ935には勝てないよな。

でもカッコいいなぁ>3.5CSL
次はカプリのシルエットレーサーでも作るかな。
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