2017/10/14
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カーモデル完成:BMW 3.5CSL Le Mans1976

※復刻版の記事です(2008/01/27)

BMW 3.5CSL Le Mans 1976

アリイ 1/24

<製作過程>

「びーえむだぶりゅ」というよりも、元スーパーカー少年としては「べーえむべー」と呼びたいBMW 3.5CSLです。
モデルは1976のルマンに出場のBMW Alpinaチームのもので、ドライバーはSam Posey,Hughes de Fierlant,Harald Grohsです。結果は10位。
70年代の箱車のシルエットレーサーは大好きなジャンルっす。DTMとは違ったガサツな物々しさがモンスターっぷりを醸し出してカッコいいっす。


このアリイのキットは、元々はオオタキの古いキットで現在は金型がアリイに渡り再販というものっす。モーターライズの古い金型のキットですけど(おそらく70年代末か80年代頃?)、プロポーションも抜群、上げ底になっていなくてドア開閉も可能、パーツの合いも良い秀逸なキットです。ただし、いくつかのパーツは分厚くゴツい上にルーバーなども抜けておらず、さらに内装パーツはかなり省略されていたりと、古い故に甘い部分も多いっす。メッキパーツもいまひとつ。キットのボディは1976と銘打ってるもののフェンダー形状などは基本的に1975仕様(しかしリアウイングは76年型という妙なキットっす)なので、キットは1976年のルマン仕様とはフェンダー形状などがかなり異なってます。
ちゅうことで、今回、ボディは1976 LM仕様にするべく、パテ盛りボディ修正でかなり改造しています。76年型 3.5CSLの「前下がりな姿勢だけど、なぜか尻下がりに見える不思議なボディ」というのは、カラーリングではなく、微妙に抑揚のついたリフェンダーの形状からそういうふうに見えると思うっすけど、今回はそれにこだわってボディ形状を大変更。詳しくは製作過程を見てちょ。デカールはStudio27です。

画像検索しても、サイドステップ部分はどういう形になってるのか不明だったので、あえて見なかったことにしたっすよ。ヘッドライトもイエローかもしれん。その他、参考にしたのは同年のルマンの別車両、1976年型のOH画像、1976 シルバーストーン仕様、1975のIMSA(Daytona?)仕様。
それと、とっても良く出来たFLYのスロットカーやオートアートから出ている1/18の75 3.5CSLも参考にしたっす。GOOGLE大先生がなかったら古本屋で76年頃のオートスポーツを探しまわるハメになるんですけどねぇ、インターネット万歳。が、内装に関する資料はほぼゼロだった、っつーことで内装は素組み&デッチ上げ。


クラシカルなリアの面構え。いかにも「70年代のドイツ車」という雰囲気が素敵です。
キットのクリアパーツは、ウインカーも全てクリアレッドの成形色ちゅうことで、イエローのクリアパーツは全て自作です。リアウイングも自作、燃料タンクも形状変更。オーバーフェンダー自体を作り直しているので、基本的にリア周りはガーニッシュを除き、キットの原型は皆無っすよ。

丁度出張も重なったことで乾燥硬化にはたっぷり時間をかけられたんですけど、盛ったポリパテの量と厚めのウレタンクリアから、数年後にはヒビだらけになるんじゃないかと、今から不安な1台っす。



塗料はクレオスのスーパーブラック→デカール貼り→クレオスのUVカットクリア1回薄吹き→精密屋ウレタンクリアという構成っす。 Studio27のデカールはカルトグラフで発色も隠蔽力抜群、貼り易かったです。 右側のリアフェンダーは「GOOD YEAR」のデカールが大き過ぎて指定通り貼れねぇっす、物理的に絶対無理・・・


とっても気を使って作ったフロントマスク。ウインカーレンズは当然自作。ヘッドライトパーツはクリア感を出すために、エナメルのつやありクリアでコートしてます。古いキットの曇ったようなライトレンズのクリア感を出すには良い方法ですんでお試しあれ。ヘッドライトは立体感を出すために内部に電球チックなパーツも入れてます。
ボンネット先端のメッキモールはアルミテープの千切り。
ブレーキダクトの穴は、キットのまんまだと向こう側が見える単なる穴なので、曲がるストローの蛇腹部分を使ったダクトを仕込んでます。
BMWエンブレムは別パーツ化したこだわりの一品。グリル下のルーバーの裏にはステンメッシュ。
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ボンネットのデカールは、「ボンネットフードのパネルライン=水色と青色のラインの境」ということで、デカール貼るのにオウジョウコイタっす。おまけにボンネット前後左右ギリギリまでないといけないはずのデカールなんですけど、幅が足りてねぇっす。一部タッチアップで汚くなっちまって残念。ウインドウのデカールも寸足らず、リアフェンダーのデカールも変だし、このデカールを使ってキットを組みのテストしたのか謎>Studio27さん

古いキットながら、ウインドウパーツの合わせは素晴らしいです、オオタキバンザイ。
ただし透明度がイマイチなのと透かして見ると微細なウェルドライン(?)が無数にあるっす、糊シロがパーツの断面のみなので接着には難あり。
ボンネットピンとウインドウの留め具はStudio27のBMW 320i Turbo用のエッチングパーツを流用。また欠品パーツだらけのエッチングが増えてしまった、もったいない。ボンネットピンのワイヤーが長過ぎてブサイクというかウルサイ感じになってしまった。ワイパーはモデラーズ製。シートベルトは年代的に赤の派手なものではないだろう、という判断から黒の地味なものに決定。

それとキットのシート、デカいっす、2mくらいの大男用か。内装に関しては、資料がないことをいいことに、それらしくしつつもホントいい加減っす。
大改造のリアフェンダーまわり。元のリアフェンダーはパテに埋まって芯になってるだけという状態です。

ホイールとタイヤは、キット同梱のものは小さくてメッシュも抜けてなくてお粗末過ぎるので、アオシマのシルエットレーサーのブルーバードのものに変更。ブルーバードのホイールは同じBBSながらセンターロックでなく5穴マウントなので、そのホイールに、これまたBMW320i Turboのエッチングパーツのホイールメッシュを使って製作(外周を少し削るだけで、なぜかメッシュがピタリ合います)。センターロックナットは本物の2mmナットの穴を広げて加工したもの。タイヤのGOOD YEARはテンプレート使ってマスキング塗装。ドアノブ、リアフェンダーダクトの仕切り、マフラーは自作品っす。
いちおブレーキも取り付けたけど、見えんなぁ・・・

アオシマのシルエットレーサーシリーズのホイールって、メッシュも抜けてて出来がとても良いので別キットに使う予定でのスカイライン(ホイールはブルーバードと同じ)のやつをさらにパーツ注文したっすよ。

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リアフェンダー上のルーバーは、大穴開けて一枚一枚プラ版を差し込んで作ったものです。こういう部分は現代の金型技術だと再現出来るんでしょうけど、当時の金型技術では出来ないんでしょうね。息を止めて根気の作業。


リアウインドウを押さえるロッドはエッチングパーツのランナーで作ったもの。貧乏性なんで、使用済みエッチングのランナーは捨てずにとってんですよ。リアウイングは、キットのものは「単なる板」だったのでジャンクパーツを漁って幅を合わせて作ったもの(多分アオシマのシルエットブルーバードのやつと思う)。


最初にキットの箱を開けたときは、「デケぇ! ホントに1/24?」と思ったんですけど、BMW 3.0CS/CSLの実車寸法は4660mmとR34 GT-Rよりもデカいクルマっす。ちなみにキットのボディのみの長さは19cmちょいでほぼ実車の1/24のスケール通り。
当時のポルシェ935と並んだ印象や後の320iのコンパクトさから小振りなサイズと思われがち(と思ってんのはオイラだけ?)ですけど、BMW 3.0CS/CSL自体は直6 3Lを積む大柄なラグジュアリークーペっす。E9 3.0CSや3.0CSLについての詳細はココね。3.0CSの後継車が6シリーズでほぼ同寸ってことから、この車のデカさは容易に想像出来るかと・・・空力も悪そうだしデカくて重そうだし、こりゃ935には勝てないよな。

でもカッコいいなぁ>3.5CSL
次はカプリのシルエットレーサーでも作るかな。
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