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2017/11/17
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白いMTBのその後:アルマイト外注とクランク交換

※当記事は回想記事です

白いMTBことDirtWorks号のその後ですが、今回を含めてあと2記事アップいたします。

DirtWorks号を運用していた頃、丁度、SCWINN号のアップデート作業なんかもありまして、その際に当時のSCWINN号に使っていたPaul Compornent(外部リンク)のVブレーキ部品のアルマイト施工を外注する機会がありまして、ついでですので、HOPEのディスクキャリパーのアダプタも一緒にアルマイトに出すことに。

アルマイトの外注をお願いしたのは光研電化さん(外部リンク)です。発色や色合い等、とても多彩で高品質なアルマイトを施して頂けます。

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以下がアルマイトに出す部品です。
アルマイト施工に出す際のポイントは
・小さなもので同色の場合はまとめて出した方がお得です。施工は染料に浸けて電解液に浸けるという作業上、数ではなく電解槽の大きさに費用が左右される面が大きいためです。小さな部品1つでも複数でも使用する電解槽が同じであれば1つの部品だけ出すと割高になってしまいます故。
・お見積もりの際に施工対象物の画像写真を送りますが、その際に大きさが分かるようにした方がよいです。上の画像では大きさが分かるように定規を画像に入れています(送信した画像は、もっと大きさが分かりやすい角度から撮影した画像です)。
・対象物の表面の状態(バフがけしてピッカピカの状態かそうでないか)で出来上がりの雰囲気も変わりますので、事前に相談した方がよいです。
・他には、対象物の汚れを落としたり、表面を磨いたりとか、詳細は光研電化さんのWebサイト(外部リンク)が詳しいので参照してください。

施工後の画像は以下です。
ゴールドのアルマイトを施していただきましたが、一口にゴールドと言っても淡いシャンパンゴールドから黄色味の強いゴールドまで様々ですので、合わせたい色の既アルマイト部品があるのであれば、「同梱の部品と同じ’色合いで」と一緒に送るのが良いと思います。

こちらがPaulのVブレーキ、超カッコいいです(見た目は大事!)

で、DirtWorks号に方は装着するとどんな感じかというと、以下のような感じ。
Goodridgeのブレーキホースのフィッティングパーツのゴールドに合わせてもらったのですが、ゴールドアルマイト、レッドアルマイト、白い車体で統一感がなく、非常に趣味の悪い色合いです(笑)。

う〜ん、リアも悪趣味だ、正直、このMTBにゴールドパーツはあかんですわ。
ちなみに、キャリパーを留めてるボルトに使ってるレッドアルマイトのカップワッシャーやリアサスリンクのカウンターシャンクワッシャのはProBolt製(外部リンク)です。

悲願のクランクのホワイト化です。クランクはRACEFACE DEUS XCです。BBはクランクに付属のRACEFACE純正ではなく、TOKEN製です。DEUSのホワイトは粉体塗装ですので、少し分かりにくいですがアルミ削り出しクランクです。チェーンリングは前々から使っているRACEFACE EVOLVEです。このスッカスカで軽量で大好きなチェーンリングです。チェーンリングボルトもレッドにするとよいかも、ですね。

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白さ度がアップしました。夜間走行用のknogのテールランプも白です。

なんつーか、ここまでやると意地でやってる感も出てきます。
おまえは何を目指しているのか?
どこへ行くのか?
誰に見せるのか?
とか...
すっかり盆栽化。

これ、嫁のMTBってのをすっかり忘れてる状態(笑)

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次回予告、白いMTBの最終形態です
2017/11/13
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白いMTBのその後:デュアコンXT化とホイール交換

※当記事は回想記事です

DirtWorks号、
・デュアコンをLX ST-M585からXT ST-M775へ交換
・MTB用Goodridgeステンメッシュブレーキホースに交換
・ホイールをNS-BIKE+Novatecハブへ交換
を行ったときのレポートです。

デュアルコントロールレバーの交換

DirtWorks号はブレーキレバー&シフターが一体化したデュアルコントロールレバー、通称デュアコンを使っておりました。下の画像が油圧ディスクブレーキレバーと一体となったデュアコンです(シマノ:ST-M585、LXグレードです)。
これなんですが、見ての通り、レバー側がシフターユニットとなっているために、レバー自体に重量がありますんで操作感は一種独特のものがあります(操作感が悪いという意味ではないです)、また転倒時のレバー破損は甚大な被害を被りかねません。なによりも、見た目がゴツく、お世辞にもカッコよいとはいえません。

で、たまたまCRCのサイトを見ていたら、XTのデュアコンST-M775が爆安で売ってるではあーりませんか、ということでサクっと購入。

新しいST-M775はボディ側にシフターユニットも油圧ディスクブレーキのマスターユニットも纏められた形状になりました。これ以前のモデルはXT(ST-M765)でさえ前述のST-M585と同じくレバー側にシフターユニットがありました。
レバー付け根の回転軸を中心にレバーを上下する形式になりましたので、操作感もスムーズです。何よりも見た目がカッコよくなりました(とはいえ、まだまだ無骨感は否めませんが)

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せっかくなので、ブレーキホースも一緒に購入して取り替えることにしました。
フラットバーとライザーバーを状況に応じて使い分けたりもしますので、ブレーキホースの長さを最も必要とするライザーバーでブレーキホースの長さを合わせます。
ライザーバーはRACEFACEのRESPONDです。ライズは1.5だっけかな、大きめにライズしているものが好きです。ステムはSPANK 1.5 Timerのホワイトです。

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さて、ホースですが、この時期、お小遣いが潤沢にあったおかげでGoodridgeのステンメッシュホースにいたしました。白の外観ですが、中身はステンメッシュとなっております。フィッティングパーツはGoodridgeから出ているシマノストレート用を使います。

組み立てはちょっとコツがいりますが、慣れればマンドレールなどの工具は必要なく行えます。下の画像は別の機会の折りにシマノXT BR-M755用のホースを作ってる際のものです(ブルーの部品の形状がバンジョーかストレートの違いだけで基本同じです)。この最初のカラー部品(赤いの)がホースの口径にキッチキチですので挿入するのがコツがいります。ブルーの先端部部品は、細い部分のネジのみホースに半分ほど入るよう入り口を少しだけ広げて挿入しネジ込みます。

前後で合計1万円近くするホースですが、ストレートタイプの場合、シマノ純正のオリーブタイプと違って、何度も取り付け取り外しが行える、長過ぎた場合の調整はオリーブなどの部品を要しないことなど、それなりのメリットがあります。純正オリーブタイプはオリーブを潰して圧着するので、取り外して再取り付けはオリーブを交換しないとできません。

取り付けるとこのような感じになります。
ライザーバーへの変更を可能にしてますので、ホースは少し長めです。

ちょっと分かりにくいですが、ST-M775はブレーキフルードのブリーディング(エア抜き)をする際はレバーの固定ネジを緩め、クルっと180度向きを変えるとフルードの蓋があります(少し作業しづらいです)。

で、MTBにステンメッシュホースが必要か?というと、結論から言うと普通の用途ではまず必要ないです。シマノの純正ホースが膨張するほど(そこまで握れるかという疑問もありますが)レバー握ると、まず間違いなくロックします(笑)。強めにブレーキを握りっぱなしの過酷なダウンヒルなんかでは、レバーへの入力が少しでも小さくて済みますので、もしかすると有効かもしれません。
というわけで、自己満ですね...

ホイールの交換

なんでこのホイール交換をしたかというと、シュワルベのBIG APPLEやGEAXのTATOOやボントレガーのHANKなど、ファットなスリックタイヤ(2.2〜2.3インチ)を入れるために、リム幅が28〜32mmくらいのホイールが欲しかったんです。通常の18〜21mmリムに2.3インチタイヤを装着しても、実際は特に問題はないんですが、見た目の問題ですかな(気持ちよく乗るには、見た目の問題は重要です)

下記の構成で組んだホイールです:
フロントハブ:Novatec D041SB
リアハブ:Novatec D042SB
リム:NS Bikes Fundamental Rim
スポーク&ニップル:DT SWISS(ショップにお任せ)
ディスクローター:HOPEフローティング
リアスプロケ:SRAM PG-990 11-34(9s)


ワタクシ、ホイール組はできませんので、お世話になっているショップ様に持ち込みで組んで頂きました(持ち込み(ただし新品部品に限る)を快く引き受けてくださる貴重なショップ様です)。スポークは長さの計算など難しいですし...スポークのテンションの固さの好みとか指定して組んでいただきました。もぅバッチリです。

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HOPEのフローティングローターです、林道の長い下りなんかでは最初から最後までブレーキ引きずりっぱなしで下ったりしてローターが紫変するほど熱が入って若干反りもしますので、ステンメッシュホースと違って、これはこれで一般用途でも割と有用な部品だったりします。

Novatecのハブです、D041/D042はディスク対応では最も安価なモデルですが、他の安価なハブと違ってローター取り付け面は切削処理を施されていたり、ベアリングは日本製(NSK)製のベアリングが使われていたり、仕上げもキレイで上質なクイックが付属していたりと、かなりキチンとしていてお得なハブです。私、個人的には超オススメです。


フレームデカールの変更

前オーナーの放置がながかったせいでフレームデカールが黒ずんで汚かったのです。いちお、この当時はDirtWorksのWebサイトがありましたので、フレームでカールのみ売って欲しい件をメールで打診したのですが、返事なし。
ということで、別のフレームメーカーのデカールを貼るわけにもいかないしってことで、フレームを製造してない部品メーカーのデカールを貼ることにしましたデスよ(ロゴデザインとして大好きなsyncrosです)。

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ちと、画質が悪いですが、これが出来上がって嫁とともにポタリングしたときのもの(クランクが変わってますが、後日、別記事で変更時のレポ書きます)。レッド&ホワイトでキレイなMTBです。奥のSCHWINN号はワタクシのです。

こうして画像見ると、DirtWorks号はデカいです(ウチの嫁は170cmくらいあるので、乗った状態ではそれほど違和感はないです)。ポタリング程度ならいんですが、これでオフロード走ると大きくて振り回せないですね。
2017/11/11
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白いMTBのその後:フォーク&ステム&ヘッド交換

※当記事は回想記事です

白いMTBこと、DirtWorks Cannibalのその後の余生です。

組み上げて早々の1ヶ月後、コイツでXCレースに...
 「嫁用のMTB」として製作したのですが、ふと「これ、レースに使うのに丁度いいな、レースでデュアコンの威力も試したいし、レース実績は何よりも重要」とかなんとか思ってたら、これでエントリーしてました。もちろん、タイヤはオフロード用(TIOGA FACTORYのケブラービードだったかな)、グリップとサドルだけは泥汚れが取れなくなるので黒に換えましたが、ドロドロです。ちなみに、レース結果は散々でした...あぁ


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その後、スリックに戻して街乗りなんかに使ってたんですが、オイラ専用に使ってるSCHWINN Homegrown号とフォークを共用できればいいなぁ、とか余計な計画を思いついて、ヘッドパーツをSCHWINN号と同じFSA orbit MXに変更。

まずはビフォーから、RSなどという台湾製のクリキンっぽいヘッドパーツに中華製の謎のSELCOFステム。両方ともeBayで買ったものですが、これはこれで機能上、特に問題はなかったです。

ヘッドパーツを抜きます。下の画像がヘッドパーツのリムーバー、フレア状になっている箇所でヘッドを引っ掛けてハンマーで打ち出します。
あまり出番のない工具ですが、そう高い工具ではないので、必要な方は持っていて損はないと思います。タガネなんかを当てて打ち抜くよりも安全安心です。


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ヘッドパーツを抜いたところ。きちんとフェイシングしてあります。製造時からなのか、前オーナーが施工したのかは分かりません。

取り外した旧ヘッドであるRS製ヘッド(左)と新ヘッドであるFSA orbit MX。FSAのヘッドはCRCで購入しました。
う〜〜んRS製のヘッド、見ればみるほどクリキンの造りに似てるっす、こういうのがブランドをテキトーにプリントされてピーコ品として出回るのかしらん(汗)

FSAのヘッドを圧入します。以前、ブログの記事でも書きましたが、圧入工具は卓上旋盤で自作したものです(アルミ削り出し!)。

ついでに、これまで使用の謎のSELCOFステムも見た目がスマートで軽量なUNOのASAステムに変更しました。このステム、アルミ製ながら激軽です。


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これまで使用の謎のSELCOFステム(下の黒いステムは無視してください)。どこの製品かは謎ですが、造りはゴツイです。決して粗悪なものではないです。

変更後のKalloy UNOのASAステム。黒い方はSCHWINN号に使おうと思って同時購入したものです(カーボンに見えますが、カーボン柄です)。割と安価なのが助かります。
ちなみに、UNO ASAステムはオンロード用です、MTBのダート走行では使えません。オフロード走行時は謎のSELCOFステムに戻すしかないですな。

変更後のハンドル周りです。グリップはリザードスキン製です。


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アフターの全体図、FOXのフォークに変更して、フォークのクラウン部も白くなりましたんで、純白度UPです(なんのこっちゃ)。他にもディスクローターをHOPE製のフローティングに変更してたりします。
少し走りましたが、FOXのフォーク、やっぱりよかったです。舗装路でのお試しでしたが、アスファルトの細かい凸凹にも追従する感じ、何よりも調整箇所(RLC=
リバウンド+コンプレッション+ロックアウト)が増えたのが嬉しいです。
2017/09/26
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MTB: AMP Research F4 BLTのダンパーオーバーホール

不肖ワタクシの愛車です。フレームは97年型SCHWINN Homegrown Factory。20年前のフレームです。90年代半ば〜後半のアメリカンMTBメーカーが最も活気と野心があった頃のフレーム&フォークです。世界中のMTBメーカーが試行錯誤していた頃とも言えますね、各社、独創的なフレームやフォークが出てて楽しい時代でした。
メインコンポは9速のSRAM X0とシマノXTの混在、フロントフォークはAMP Researh F4 BLT、ブレーキはHOPE、ホイールはクランクブラザースの完組品や行きつけのショップ組み品を使ってます。フレームとフォーク以外は割と新しめの部品です(といっても5年以上は前のものですが)。ワタクシのお友達の乗るロードなんか較べると掛かってる費用は半分くらいです、MTBは不人気なので部品とか安いので😓

今はSCHWINN(シュインまたはシュウインと読みます)もAMP Researh(アンプリサーチと読みます)も倒産や買収やブランド売却などを経て見る影もありませんが、90年代当時、SCHWINNは歴史と伝統を備えた最も元気な米のメーカーで、XCファクトリーチームはトヨタのスポンサードがつき、中小のフレーム工房を買収しまくってた頃です。Homegrownシリーズは当時傘下に収めたYETIと共同でコロラド工房で製造されたシリーズです(当方のHomegrown FactoryはMade in USAですが、not YETIメイドです)。当時のSCHIWNNとYETIのDH-8(ローウィルフレーム)など、同じ製品ラインナップなのはそういう理由のためです。また、SCHIWINNでは普及モデルとして台湾製造の安価なSシリーズというのもあります。

自転車はMTBしか持ってませんので、普段、舗装路用のタイヤを入れて街中を走ることもありますが、細いスリックタイヤのMTBってのもカッコ悪いですし、山を走ってこそMTBというポリシーがありますんで、メインの用途は山ツーリング。

「古いMTBなので街乗り専用で余生を...」

というヌルい扱いは一切なし(笑)
雪なんか積もると出撃っす!

フレームもフォークも、特に性能が凄いとか軽いとかそういうことは全くなく(AMPフォークとか、現在のレベルで見ると「何これ?」レベルだし)、単に「造形に惚れた」という非常にヲタク臭い理由で乗ってます。

で、今回の記事は、秋になりましたし、そろそろMTBシーズンインということで、その前に長らくメンテを放っておいたフロントフォーク・AMP Research F4 BLTのオーバーホールをしようというネタです。

AMP Research F4 BLTとは?
ホルスト・レイトナーが立ち上げたAMP Research社のMTBフォークです。AMP Research社はAmerican Motorcycle Products、頭文字をとってAMP。名前の通り、当初はオフロードオートバイ向けのカスタムパーツを製造販売する会社でありましたが、90年代の初頭にアルミ削り出しのリンクユニットが特徴のMTBフォークと「ホルストリンク」の創始となったMTBフレームであるB2フレームを開発&販売にMTBへの参入が始まります。当時は劇的に軽量で細身の高級フルサスMTBを製造するメーカーとして活発でありました。残念ながらAMPは2000年に入った割と早い時期にMTBから撤退し、今はRV車用の電動ステップなどを作る会社になってしまってます。アメリカ製品にしては異例なほど繊細な作り込みで今も根強いファンがいてフォーラムなどでの情報交換は割と活発です>AMPフリークと呼ばれてます。

AMPのフォークですが、F1はスチールレッグ、F2からアルミレッグになります。F3でボディ形状が若干変更になり、F3 XCまで続きます。F3まではボディ内にスプリングを仕込んでダンパーユニット別体です。その後に今回のターゲットのF4 BLTが登場となります。また、ハイエンド品として「カーボンレッグ仕様」なる高級品も存在しますが、オクやeBayで見かけても高騰するので買えません。上の画像は左から「F1のスチールレッグのみ」「F1のスチールレッグをF3のブラックタイプのアルミレッグに変更したもの」「F3 XC」であります。真ん中のF1フォークはもう1台のMTBで現用中であります。で、90年代の終わり頃(たぶん、97年頃)に今回の題材となるF4BLTが登場となります。AMPは2000年頃にMTBから撤退後、なんと2012年頃まで個別にMTBパーツの供給をしてくれてました。上記の真ん中のレッグは、なんと2010年にAMPに注文して受注で作ってくれた部品だったります(数年前にAMP社自体が買収されて、今はMTBパーツのサポートは完全終了しています)。

前置きがちょっと長くなったです、AMPやSCHWINNのネタ話は別の機会にでも。

下の画像が今回のネタとなるF4 BLTフォーク、通称AMP F4。
削り出しフェチにはたまらない造形だと思います。

オイラ?
もちろん削り出しフェチですよ

今回はこいつのダンパーユニットのオーバーホールです。

ワタクシ、AMPフォークのダンパーの消耗部品を多数ストックしておりまして、実は以前、ヤフオクでAMPのダンパーユニットの修理承ります、と出品して10本以上のAMPフォークのダンパーをオーバーホールしたりしておりました(照)。
今はやってないです、色々と忙しくて自分のことだけで精一杯...

分解
まず、フォーク本体からダンパー&スプリングユニットのみ外します。コテコテに汚れてます。構造は至ってシンプルで、ダンパーユニットの構造を学習するには丁度よい教材ではなかろうかと思うほど。画像では1つですが、F4は2本ありますので、これから行う作業はすべてもう1本分もある、ということになります。
まずはスプリングコンプレッサーでスプリングを縮めて上部のリテーナーを外します。このスプリングコンプレッサーは専用に当方がフライス盤で製作いたしました。
スプリングを縮めていくと、この画像のように上部のリテーナー(お皿みたいな部品)がスルと抜け、スプリングのみを取り外せる状態になります。
これがリテーナーとスプリングを外した状態。下側のリテーナーはクリップの位置を移動することでスプリングのプリロードを調整できるようになってます。後期型のF4 BLTではクリップ式ではなく、普通のサスのようにネジ式になってます。
ダンパーのみの状態になりました。次に両端にあるアイレットを外します。
両端のアイレットはネジ込み式になってますので、画像のようなクランプツール(別名ジグ)に挟んでバイスに固定した上でロッドを突っ込んで回します。このクランプツールはAMP謹製の純正工具だったりしますが、精度の高い穴を開けられるフライスやボール盤があれば自作も可能です。
ボディ側のアイレットを外してオイルを排出、ピストンロッドが丸っと抜けます。Oリングのシールのみというシンプルな構造でダストシールの類いはありません。ユニット自体も小さくオイル容量も少ないのでオイルはもの凄〜く汚れやすく劣化しやすいです。500〜600kmの走行で殆ど泥水みたいなオイルです。
洗浄!
Oリング類を全て外します。今回、汚れが酷い状態でしたので、シンナーにどぶ漬けしてスラッジなどを除去します。
これが洗っただけの状態。これでようやく素手で触っても汚れない状態になったっす。部品点数はたったこれだけです。
ダンピングを発生させるオリフィスの穴ですが、時々、スラッジや泥で詰まってることがありますんで、念のためインセクトピンを通して貫通を確認します。使用しているインセクトピンは「有頭シガ昆虫針」というステンレス製の極細のものです(プラモ製作のリベット打ちに使うのでストックしてるっす)。
磨き!
磨き作業に入ります。ロッドに擦過でついた荒れが少しありますので、磨きます。
ロッド表面に傷がつかないよう、旋盤に優しめにチャッキングし、低速で回しながらコンパウンドで磨きます。間違ってもサンドペーパーなどはNGっす。そんなもんで磨いたらロッドの太さが変わってしまうっす。
前後のダンパーボディのフタ部品も外側も内側もピカピカに磨きます。なぜピカピカにするかというと、傷やゴミや腐食があると、Oリングとの隙間ができて、そこからオイルが滲んでしまうから。
ダンパーボディのフタです。内側と外側にOリングを嵌める溝があります。溝の部分は綿棒などで特にキレイに磨き上げます。なぜピカピカにするかというと、傷やゴミや腐食があると、Oリングとの隙間ができて、そこからオイルが...って前項で書いたっすね(汗)。左が磨く前、右が磨いた後です。磨く前、スラッジらしきものがこびりついているのが分かると思います。
もちろん、ダンパーボディの内も外も、アイレットなどの他の部品もピッカピカに磨き上げます。なぜピカピカにするかとい....もういいっつーの(笑)
組み立て

ボディ内にサスペンションオイルを並々と入れるだけのF1〜F3のダンパーと違って、F4 BLTの場合はサスペンションオイルの充填量に規定がありますので、組み立てはAMP発行のマニュアルと専用ツールに従って行います(このマニュアルはAMPのWebサイトのヒストリーコーナーでダウンロード可能なものです、今も可能かは分かりません)。



充填するサスペンションオイルはBelRayの#7です。オイルの固さはこれまでの乗ったフィーリングでの経験則です。あまり固いオイルを入れると小さなOリングだけの ダンパーユニットですので、液圧に負けて漏れやすいです。
これがAMP Research純正のリフレッシュキット(F4 BLT用)。内容はOリングとナイロンワッシャーとダンパー留めネジなどです。ダンパー留めネジ以外は汎用サイズで中身はなんてことないものです、確か数百円の単位でしたので大量に買い込んでたっす。
とはいえ、純正を使うのもあれなので(ウチでのストック期間が長過ぎてゴムが古いかもしれないので)、ダンパーに使われているOリングは全て汎用サイズですので、新しいOリングは当方が持つ汎用品から同じサイズのものを使います。素材はNBRで対躍動部用です、左のインチ規格のテトラシール(角断面Oリング)の入手は海外通販頼みで面倒でした。丸断面のOリングはインチ規格品もMonotaroさんなんかで普通に入手可能です。
新しいOリングを装着した後、少しだけオイルを入れたボディにピストンロッドを挿入します。規定量まで入れた状態です。オイルレベルは、下端のボディキャップを13mm押し込んだ状態で上端をシールホルダーセッティングツールを差し込んで溢れさせます(とマニュアルに記載されてます)。上記のような量になります。
AMP謹製、純正のSeal Holder Setting Toolなるものです。長さと太ささえ分かれば旋盤で自作可能なツールですね。AMPの良いところはこういうスペシャルツールが安かったこと。これを差し込んでボディのキャップを押し込むと同時にオイルレベルを決定します
オイルも充填してボディキャップもねじ込んでダンパーユニットが完成です!
キレイです!
両端のブッシュ交換
ダンパー両端に圧入されているブッシュを交換します(大統領ではない)。 この部品は常にダンパーを固定するシャフトと擦れている部品で、内壁のテフロンが消耗してますので定期交換部品です。これも汎用サイズですが、片側が8x8x10のmmサイズなのですが、もう片方がインチ規格の3/8"x15/32"x3/8"などという特殊なサイズのため、これも海外通販で取り寄せました。画像では小さなブッシュの方です。大きなブッシュのサイズは1/2"x19/32"x1/2"で1/2インチマウントのMTBリアサス(FOXやROCKSHOXなど、多くのMTBリアサスメーカーが採用する規格)のブッシュに使用するものです、こっちはついでに買ったもの。
旋盤で製作した自作のブッシュリムーバーです。これで古いブッシュを押し出し、新しいブッシュをバイスで圧入すればOK。簡単な作業です。
スプリングをキレイに!
スプリングに薄らと錆が出始めていますので、酷くならないうちに対処します。
って、錆を落として、エアブラシで薄らと塗装するだけなんですけどね。何もしないよりはマシです。厚塗りすると塗装がペリペリ剥がれますので、薄ら塗料を乗せる感じで吹くのがコツです。
最終組み立て
分解作業で最初に使ったスプリングコンプレッサでスプリングを縮めてリテーナーを挿入すれば完成です。
片方が作業完了品、片方のダンパーにバネを装着すれば作業は完了。
完成です!
バフがけしたアルミボディにスプリングも黒々としてて引き締まって見えます。
横に置いている長いネジ類は、前出のブッシュを押し出すための自作工具です。その横の4つのリングが古いブッシュです。

冒頭で出たSシリーズも持ってます(右側)
SシリーズにはF1フォークを装着してます。
一見、フレームの見分けがつきませんが、細部はかなり造りが違います。素材も異なります(HomegrownはA6061-T6、廉価版のSシリーズはA7005)。この辺のネタは別の機会にでも。