2022/08/07
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ゴリラ・オフロード仕様-60:ヘッドライトマウント&ステーの製作

※2022/8中旬まで、ゴリラ・オフロード仕様製作は毎朝1話ずつ公開されます。

ヘッドライトは小型のLEDライトをデュアルでマウントします。必要なものはヘッドライトマウント、それをフォークに取り付けるヘッドライトステーの製作です。

ブログではサラっと作業を書いておりますが「どうやってマウントしようか?」と、それはそれは取り付け方法を悩みに悩んでの作業でした...

アルミ(A2017)をフライスで切削してヘッドライトマウントを製作します。バイスがアルミブロックなので、どれが製作中のパーツなのか分かりにくいですね...


できました、両端の溝にLEDライトの後端が嵌ってネジ留めする構造です(って、この段階じゃ伝わらんか...)。


つぎにこのヘッドライトマウントをフォークのクランプ(例のMTBのシートクランプを加工して作ったやつ)に取り付けるための中間ステーを作ります。材料はメーターマウントの製作で余ったA5052材。アルミの当て板を挟んでシャコマンで掴んで捻ります。


って、これじゃ何を作ってるか分からんか。プレートを捻っているのですが、ここでの捻りの角度=フォークの地面に対する角度になります。

両端を同じ程度に捻るのは割と簡単でした(両端に定規をあててピタリ合うところまで捻る)。


ヘッドライトが地面に対して概ね垂直にマウントされるかどうかをチェックするため、車体に仮留めして確認しないとイケマセン。そのため、メンテスタンドから車体を下ろし、タイダウンベルトでバイクを天吊りして走行状態に近い姿勢で固定しました(グラブバーがあって良かったとシミジミ、苦労して取り付けた甲斐がありました)。


フォークに取り付けているクランプに先ほど捻って作ったステーを仮留めしてみます。ちょうど、捻った中央部分が地面に対して垂直になる感じです。



だいたいOKでしょう、細かい光軸の上下の向きはヘッドライト側で調整します。ってか、ケーブルやワイヤーだらけでヘッドライト装着の邪魔になりそうな...

ここでようやくLEDヘッドライトが登場、LEDライトをヘッドライトマウントに取り付けます。LEDライトの後端部には最初からネジ穴がありましたのでそれをマウントに共締め。


捻ったステーの中央部にもヘッドライトマウントを装着する穴を開けました。ここはラバーマウントになる箇所なので大きめの穴を開けています。


これらを車体に取り付けるだけなんですが...

ヘッドライトマウントがせっかくの削り出しパーツなのに見た目がイマイチでしたので(誰も見らんって)、少し削りを入れてそれらしくします。


こんな風に削りを入れてみました。って、あまり変わらんか...


今回製作したパーツで車体側にヘッドライトを取り付けるのですが、取り付け前に車体側のヘッドライトを装着する箇所のケーブルやワイヤーの取り回しを整理したりと、ひと手間かかりますんで次回記事に続きます。



2022/08/06
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ゴリラ・オフロード仕様-59:メーターマウントの本製作

※2022/8中旬まで、ゴリラ・オフロード仕様製作は毎朝1話ずつ公開されます。

メーターマウント(メーターステー)を本製作します。現在のメーターマウントはホムセンで買ってきたアルミ板(純アルミ)なので柔らかすぎだし腐食しやすいしで本来はアルミパーツを作る素材ではないです。柔らかく加工しやすいのでプロトタイプとか作るのにはよいです。

以前のプロトタイプ製作で作ったものは下記画像のAです。



形状や角度は概ねこれで決まり。イグニッションの位置の若干の変更や電装機器ですのでラバーマウントにしないといけないなど、これらを本製作で反映します。ちなみに電装機器をラバーマウントにしない場合、基盤のハンダ割れや電球であればフィラメント切れなどの可能性が高まります

本製作で使う素材は3mm厚のA5052です、ジュラルミンほどの強度はないけど、まぁまぁの強度で腐食しづらい素材。それほど強度を要求しないけど美観は必要な箇所(今回のメーターマウント)などに適してします。


必要な寸法に切り取りました。3mm程度の厚さであればジグソーに金工用のブレードをつけてカット、ヤスリで修正ってのが早いです。


片面の保護シートを剥がし、青ニススプレーで全体を塗り、プロトタイプから割り出した穴あけの位置にマーキングし、ポンチを打ちました。



今回は穴あけは正確に行う必要がありますんで、ポンチの位置にピンバイスで2.0mmの彫り込みを入れます。こうすることでこの後の3mmのドリルでの穿孔時に正確に穴を開けることができます。ポンチだけだとズレちゃうことがあるんですよね。


3mmのビットでドリルで穴を開けた後、徐々に口径の大きなドリルで穴を広げていきます。今回は0.5mmステップで開けていきました。
・メーターマウントの穴:4.0mmまで通常ドリル
・スイッチマウントの穴:10mmまで通常ドリル
・ラバーマウントの穴:13mmまで通常ドリル、それ以降はステップドリルを使って15mmまで徐々に開けていく
・イグニッションの穴:13mmまで通常ドリル、それ以降はステップドリルを使って26mmまで徐々に開けていく
って作業を行いました。


ステップドリルとはこういうやつ、通称タケノコ。薄板に大きな穴を開けるのに適しています。ちなみに愛用のドリルはマキタ6000R、昭和の頃に登場し今でも現行品という超名機です。精度がいるときはこれ、精度よりもパワーが必要ときは中華の安いのを使ったりします。


アルミプレートの裏面はまだ保護シートがついたままですので、こちらにトップブリッジの形状に合わせた墨線を油性マジックで書きます。


ジグソーで上記の墨線の外側を大まかに切った後、現物のトップブリッジに合わせながらヤスリでサイズと形状を微調整し、最後に断面をサンドペーパーで綺麗に整えて出来上がり。


これを折り曲げ機(ワタクシの折り曲げ機は自作)で所定の角度まで折り曲げます。折り曲げ機があれば妙な湾曲ができたり斜めったりせず、キレイに折り曲げが可能です。


マウントベースは完成です。青ニスをラッカーシンナーで除去し、ラバーマウントのグロメットを嵌めました。ガサツな作りのプロタイプと違ってそれらしい感じになってきました。


ラバーマウントに使ったグロメットは以下のブツです。モノタロウで購入、3mm厚対応、内径11mm、嵌り径15mm、外径19mm、全厚7mm。EPDMなので耐候耐油です。本来はケーブル保護のグロメットなんですけどね...

 【グロメット 黒色 EPDM製 TM-NG-79-H 】


当然、ラバーを嵌めただけではラバーマウントとしては不十分ですので、このグロメットに合う差し込み径11mm L7.0mmのアルミカラーを旋盤で作りました。


これをグロメットにこのように挿入してトップブリッジへボルトマウントします。


メーターマウントをトップブリッジへマウントしてみました。


イグニッションやスイッチ類を装着、メーターも装着して取り付けました。プロトタイプと違って美しい仕上がりで満足であります。


2022/08/05
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ゴリラ・オフロード仕様-58:ヘッドライトステーの検討

※2022/8中旬まで、ゴリラ・オフロード仕様製作は毎朝1話ずつ公開されます。

公道を走るための装備で足りないものはフロントの灯火類のみとなりました。ヘッドライトはできればホンダ・ズーマーのものを流用したいのですが、なかなか縁がありません(オクで入札を忘れたり、思いのほか高騰したり)。

そんなこんなしている内に現時点ではヘッドライトは既に購入済みの小型の高輝度LEDランプでいいのではないかという結論に到達。本来はフォグ用にと買ったのですが、すっごい明るいので。そこで、この高輝度LEDランプをどのようにマウントするか、31mmフォーク対応のヘッドライトステーを探したのですが....

これなんかカッコいいです



ウチにはフライスがあるので似たようなものを自作できそうだな、とか思ったりして。これらのステーに使っているフォークのクランプの部品だけ欲しいなと思ったりして。

フォークへのクランプ部品、何か代替のものはないか探したらありましたヨ。
それはMTBやロードに使うシートクランプ、もちろんリングの内壁にはリブがついているのでそのままでは使えませんが、口径は31.8mmなので0.5mm厚くらいのアルミ板を挟めば31mmフォークに使えます。

実験してみました。シートクランプには赤の楕円で囲んだ箇所にリブがありますので、これをリューターで削ったものが青の楕円で囲んだもの。これの内径に0.5mm厚くらいのアルミ板を丸めてスペーサーにすれば31mmフォークのクランプの出来上がり。


ほかにネジ留め部分を垂直に削ったりって作業も必要でしたが、4つ作ってみました。ちなみにこのクランプのお値段は450円/個くらい。


薄いアルミのスペーサーを挟んでフォークにクランプしているのがわかりますでしょうか?これが上手い具合にフォークへの保護にもなってて良い具合です。


ポリッシュされたアルミで意外なほどスッキリスマートな感じに仕上がりそうなので、これに決定ですね。あとはLEDライトをどうやってマウントするか、です。

2022/08/04
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ゴリラ・オフロード仕様-57:自作サイドスタンドの補強

※2022/8中旬まで、ゴリラ・オフロード仕様製作は毎朝1話ずつ公開されます。

過去、2記事に渡って書いたサイドスタンドネタですが、前回記事で収束したと思われたサイドスタンド問題、剛性がやや不足していたようで、使用しているうちに根元のステーが少しずつ捻れて曲がっているのです。今回はその対策、これでサイドスタンド問題は完全終了だといいのですが...

サイドスタンドを取り外します。左の短いステンレスのアングル状のものが今回補強するサイドスタンドのステーです。


端材で作った補強部材を溶接しますので久々登場のバッテリ溶接。以前、ステンレスアングルを溶接した際、36vだとアークが強すぎた感がありましたのでまずは24vでやってみます。


右の小さな2つの部品が補強用の部材、適当な端材から切り取ったので穴があったりしますが補強はステー裏面になりますんで問題なし。


補強部材を箱型に溶接し、ネジ留め部も曲がらないよう縦に補強を入れました。これでステーの上方への曲がりは解消するかと。途中、24vではアークは飛ぶのですがアークの維持が難しかったので36vにしました。


つぎにこのアングル状のステーが重量に負けて捻れないようにする補強です。つっかえ棒を入れて三角支持にして捻れを防ぐ作戦。こんな形状の部品を作りました、先端のボルトを通す部品は旋盤で作りました。これを角度をつけてバーに溶接するのが難しかったっす。バーは3mm厚のスチールですのでかなりゴツいものです。


長さやネジ穴の位置関係などが合っているか何度も合わせて確認しつつ溶接します。


完成したので缶スプレーで塗装して本装着しました。ここは跳ね石などですぐに傷だらけになる場所ですので塗装も簡易なもので済ませました。


全体を見るとこういう形になっています。


これまではサイドスタンドに重量がかかってサイドスタンドが外側へ曲がろうとする力でステーが上方向に曲がったり捻れていたのですが、今回の補強を入れたことで曲がりを防ぎ、捻れようとする場合、つっかえ棒に引っ張る力がかかって捻れを防ぐ、という構造です。これまでとは段違いの剛性感があります、これでサイドスタンド問題は完了!(だといいのですが)

2022/08/03
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ゴリラ・オフロード仕様-56:フロントブレーキキャリパーのOHと装着

※2022/8中旬まで、ゴリラ・オフロード仕様製作は毎朝1話ずつ公開されます。

フロントブレーキの引き摺り問題ですが、キャリパーのオーバーホールに必要な部品が揃いましたんでキャリパーのオーバーホールを行います。


ブレーキキャリパーは1986年型VFR400(NC21)の右側のみを使用しています。オーバーホールに使用するパーツは以下となります:
・ピストンシール x2:43209-MA3-006
・ダストシール x2:43109-MA3-006
・ピンボルトのブーツ x1:45132-166-016
・ブーツB x1:45133-MA3-006
・ピンプラグ x2:45203-MG3-016
・ブリードニップル x1:43352-268-003

まず、ピストンを抜くのですが、専用の工具がない場合、パッドを外してピストンが出てくるにまかせて何度も握ります。そうするとコロンっとどっちかのピストンが外れます、もう片方も手で引き抜けるくらい飛び出ているはずですので抜き取ります(取れない場合は専用工具、ピストンに傷がつくとアウトなのでプライヤーなどで雑に挟まないこと)。


ピストンが外れたらブレーキホースを外してピストンシールとダストシールも外します。片押しキャリパーですのでブラケット部とキャリパーボディ部に分離します。


歯ブラシなどを使って中性洗剤でよ〜っく洗って乾かします。この作業のときは冬でストーブがありましたので乾燥には便利な季節でした。


古いキャリパーのオーバーホールの要の作業、赤矢印で指すピストンシールとダストシールの溝をクリーニングします。ここは傷をつけるとフルード漏れの原因になりますので慎重かつ丁寧に根気よく作業。ワタクシは鏡面仕上げ用のコンパウンドを綿棒につけ、地道に磨きました。


いかがでしょう?だいぶキレイになったと思います。綿棒+鏡面仕上げ用のコンパウンドではこの辺が限界ですね。溝の中がピカピカになっているのが分かるかと。


上記の溝と同様にピストンも傷をつけるとアウトなので慎重に掃除、キャリパーの外側も歯ブラシや綿棒などを使ってできる限り掃除しました。


スライドピンはキャリパーボディ側、ブラケット側の2本あります。ブレーキの動作に関わる部分ですので腐食や汚れを除去し、ツルツルの状態にし、薄っすらとグリスを塗布します。



新品パーツを組み付けていきます。まずピストンシール(43209-MA3-006)とダストシール(43109-MA3-006)。ダストシールが外側の溝に入ります。組み付け時は薄っすらとブレーキフルードを塗っておきます。


ブラケット部とキャリパーボディ部の合体の際にスライドピンのブーツ類(45132-166-016と45133-MA3-006)を組み付けます。


ブレーキパッドを組み込んだ後、パッドピンのボルトのカバー(ピンプラグ:45203-MG3-016)でパッドピンの蓋をし、ブリードニップル(43352-268-003)を軽くネジ込んでおきます。


ピンプラグは走行中にいつのまにか無くなっていることが多い部品です。ネジ山が少なくマイナスネジなので強く締め付けにくいことが要因かと。


そんな困った部品のピンプラグには組み付けの際、緩いネジロックを塗布しておきます。このスリーボンドのネジロックは永久固定のネジロックと異なり、ゴム系接着剤のような固まり方をして緩みを防ぎ、工具で再びネジを緩めることも容易な緩いタイプ。


これでキャリパーのオーバーホールは完了です。見た目はちょっと汚らしい古いキャリパーですが中身はほぼ新品です。


フロントフォークに装着し、ホースを繋いでフルードをブリードして取り付け完了です。ブリードニップルも新品なのでピカピカです。


マスターの選定、ブレーキホースの選定、ブレーキの引き摺りなどのハードルがありましたが、ようやく完成です。ブレーキホースは現行のスズキGSX-R250のもの、引き摺りもなくなり動作も完璧です!