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ゴリラ・オフロード仕様 Ver 1.0

 



ゴリラオフオード仕様 Ver 1.0。納車から6年近い年月(途中、3年以上に渡る放置期間)を経て2022.6月末にやっと完成しました。そもそもの発端は、昔、オフ車で行ってたキャンプ&渓流釣りに再び行こうって計画がスタート。大きなバイクもあるので、以前のXL250Rパリダカのようなフルサイズのオフ車は置き場所の問題もあって維持できないので原付2種のオフ車、ってことで。最初はMOTOPEDを購入してナンバー取得を目指そうとしたのですが、ツーリングユース&舗装路ユースには実用的でないことが分かり、ちゃんとしたバイクでってことに。


MOTOPED

色々と思案の末、ゴリラを足長に改造したら面白そうってことでゴリラの中古をゲットしてカスタマイズスタート。ちなみに購入時はこんなバイクでした:


カスタマイズの方針は
・フレームや足回りやブレーキなどは可能な限り国産純正流用
・足回りは80cc/85ccモトクロッサーのスモールホイールサイズ
・電装は安めの中華製でもOK
・キャンプを含めた林道ツーリングで問題が出ない耐久性
・全て自分で作業する
ってとこです。ほぼ方針通りに作れたかと。

変態な足回りの外観ながら、フレームはゴリラ12V純正フレームでヘッドチューブを延長したのみ。見た目と違って乗り味は意外と普通。モトクロスタイヤのため(2022.07現在)、舗装路ではグニャグニャ感があること、コーナーで倒しこむとタイヤサイドのブロックが荷重に負けてハンドルが切れ込むってクセがありますが、それらはXL時代にモトクロス用タイヤを公道使用して経験済みなので想定内。舗装路で冷静に足回りの出来栄えを判定したりサスのセッティングも詰めたいのでトレールタイヤにする必要はあるっす。

現在のVer 1.0での難点は
・エンジンが7000rpm付近で頭打ちすること
・特に上りではトルク不足が顕著
・熱的にかなり厳しい
と、主にエンジン周り。これらを解決すればかなり使える&戦えるマシーンになる(はず)。

エンジンは購入時に既にキタコ88ccキット組み込み済み、ヘッドはノーマル、エンジンの回り方やトルクの出方からカムもノーマルと推測(分解確認していないので不明)。幹線道路の流れについていくのは問題ないけど、7000rpm付近で頭打ちとなるため、現時点で最高速は60km/hちょいしか出ない。クラッチカバーは田中商会の削り出しタイプ。
キャブレターはケイヒンPC18。リフレッシュキットでゴム系パーツやパッキン類は新品交換済み。ジェット類は納車時のまま、スローは調整済み。長期放置のせいでシェイクダウン時はギアチェンジに難が出たものの、オイル交換後、何度も操作して復活。長期放置でギアチェンジの動きが渋くなることを初めて知りました...
ノーマルのエンジンマウントはクランクケース上部と後端の2箇所のみ。ホイールの大径化や林道使用で若干不安があるため、G-craftのエンジンマウント補強プレートを装着、それに共締めする形でステッププレートを保持するシャフトのクランプを装着。
マフラーはOVER Racing製、ステンレスエキパイにチタンサイレンサーのモデルです。オフロード仕様らしくアップタイプを選択。音はやや大きめだと思います。ヒートガードがないと火傷します!
当バイクの最大の特徴のリア足回り。中華ピットバイクのスイングアームのディメンジョンを参考にスイングアームの垂れ角を大きめに設定して装着。スイングアームはKEPSPEED製(GM MOTO)の目の字断面・16cmロングアルミスイングアーム。YZ80のホイールが15mmアクスルのため、チェーン引きやシャフトホールを15mmに拡大加工。
参考までに中華ピットバイクとは、こういうバイクです。90〜150ccの横型エンジンを搭載した中華製のミニモトクロッサーです。
大きなスイングアーム垂れ角を実現する360mmのYASUSU製ツインショック。元々、当方がMTBに同社製ショックを使っていて、作りの良さと信頼性からオートバイ向けモデルも使ってみた次第です。リバウンド調整付きのMRNP(現行だとMXZ R)をベースに、長さ、エンド部形状、スプリングレートなどセミオーダーしたもの。総削り出しボディで非常に作りの良いサスペンションです。YASUSUは台湾のサスペンションメーカーでタイのYSSではないです。
フロント側はXR100モタードの31mmフロントフォークをそのまま流用。スプリングレートを上げる予定のため、リバウンドのオイル流路を一部塞いでいます。31mmフォークは、ホンダでは小型車の様々な車種(CBX125, CB125, TL125, NS-1, NSR50, APE XR50/100, マグナ50など)で採用しているため、選択の幅が非常に広いです。
31mmフォークをクランプするステムはホンダ・イーハトーブ(TL125S)の純正ステム。オフセットのとても大きなステムで真上から見るとブーメランのような形状。現在の設計思想とは異なる時代のものですね。左右フォークの間隔も狭いため、ディスクブレーキ対応のホイールを装着するには、アクスル周辺がギリギリのクリアランスでした(イーハトーブはフロントドラムブレーキです)。
オフセットの大きなイーハトーブのステムを採用した最大の理由はハンドリング面(トレール値)もあるのですが、前輪をなるべくエンジンから遠ざけたかったからです。モンキー/ゴリラのフレームで大径ホイール化した場合、サスがフルボトムするとタイヤがエンジンのヘッド部にヒットしてしまうため、モンキーのカスタムフレームにはバックボーン延長フレームがあったります(オフロード仕様には強度面で不利なので不採用です)。
フロントホイールはホンダCR80の17インチです。さすがにモトクロッサーのホイール、とても軽量です。ホイールが大径になって重量増に見えますがその逆、クッソ重いモンキー/ゴリラの純正鉄ホイールに比べると劇的な軽さです。タイヤはこのホイール購入時に装着されていたもの。古タイヤですので早いうちに交換します。
リアホイールはヤマハYZ80の14インチ。このホイールも軽量です。リアタイヤもフロントと同じくホイール購入時に装着されていた古タイヤですので早いうちに交換します。そもそも、前後ともモトクロス用タイヤなので公道不可なんですよね。タイヤのブロックのせいで舗装路を走るとグニャグニャして気持ち悪いっす(笑&危)。
駆動系は7mmオフセットのSUNSTAR製16Tドライブスプロケット、ドリブンはJT Sprocket製48T。YZ80は428チェーンのため、内径穴が同サイズのKX60/80のスプロケットにYZ対応のマウント穴を追加工して装着。チェーンはロードバイクやMTBのチェーンで有名な台湾KMC製のゴールド・ノンシールタイプ。
フロントのブレーキキャリパーは86年型VFR400R(NC21)の片押し2ポッドキャリパーをOHして流用。キャリパーサポートはA2017S削り出しの自作。左右フォークの間隔が狭くキャリパーとホイールスポークとのクリアランス確保のためキャリパー裏面を若干切削。
ディスクローターはホンダ・CR80を流用、走行して間もないためパッドとローターの当たりがついていない状態。
ブレーキマスターはヤマハ・マジェスティ250やYBR125のヤマハ純正フロントマスター。レバーは同社のスクーター用純正レバーでショートレバー化。ブレーキホースはスズキGSX-R250を流用。スロットルホルダーは中華製ノーブランド、グリップはキジマ。
リアのブレーキキャリパーはキャリパーサポートも含めてヤマハ・TDR50/80の純正キャリパーを流用。ディスクローターはヤマハYZ80、偶然にもフロントCR80のディスクローターとデザインが極似しているため前後で違和感のない見た目となりました。リアも走行して間もないためパッドとローターの当たりがついていない状態。
リアブレーキマスターとブレーキホースもヤマハTDR50のものを流用。XJR1300のステップユニットにボルトオンマウントできました。
ステップはヤマハXJR1300の純正ステップを自作ステップマウントプレートに装着。ステップマウントプレートはA5083削り出し。フットレストはオフロード用に交換。ギアチェンジリンクはピロボールマウントやシフトロッドを含めモノタロウで物色して装着。
現状ではとくに使用に際して操作面や剛性面で問題はないけど、万一、転倒した場合、マウントプレートがスイングアーム側へ向かって割れる可能性があるため形状を再検討&再制作の予定。オフロードを走るため、こういう部分は「転倒前提」で考えないといけなかった...
少なくともチェンジペダルは転倒しても簡単には壊れないようにしないと、家に帰れなくなっちゃう。
メーターは汎用の中華製デジタルメーター、スピード、タコ、ODO&TRIP、時刻、ギアポジション、電圧が表示されます。ガソリン残量はセンサーを繋いでいないので常に満タン表示(笑)。設定で少し戸惑いましたが、設定してしまえば中々使えるコスパ高いメーターです。今のとこ心配なのは防水性能ですね。メーター右下のスイッチはヘッドライトロービームスイッチ。
ハンドルスイッチはハンドル左側のこのユニットのみ、ウインカー+ホーン+ハイビーム。ハンドル右側にはスイッチは無しというシンプルさ。
クラッチレバーは中華汎用品。ここは転倒時にも耐えるよう可倒式レバーにしました。メッキ仕上げは見た目が安っぽいので普通のアルミ地にすればよかった。
ヘッドライトは中華LEDライトのデュアル。見た目はとても小さいユニットですが、強烈な明るさです。中華LEDはこれまでの使用経験から、すぐに切れる、という印象があって、あまり信頼できないです。できれば突然の球切れにも対応可能な普通のバルブ交換式がいいっすね。
中華格安ウインカーは造り自体がモロい上、振動で電球が外れるという最低品なので早いうちに交換予定。
ヘッドライトのマウントには相当頭を悩ませました。2灯がキレイに並び、かつラバーマウント、かつ角度調整が容易だけど走行振動で角度が変わったりしない、という条件を満たさないといけないわけで。いや、ほんと大変でした。
ヘッドライトやウインカーをフォークにクランプするパーツはMTBやロードバイクに使われるシートクランプを加工したもの。スッキリしたデザインながら保持力(体重のかかるシートポストを下がらないよう保持するくらいなので)は申し分ないというスグレモノ。
シートは車体購入時からのメーカー不明タックロールタイプ。グラブバーはMINIMOTO。テールランプ類はDAYTONAキャリアレスキットという構成です。今でこそまとまって見えるシート&テール周りですが、グラブバーとキャリアレスキットが干渉、グラブバーとシートが干渉と、干渉との戦いでした。大量の荷物が生じるようなツーリングでは純正キャリア&テールランプに戻せます。
このバイクのカスタマイズで最も苦労した箇所は足回りやブレーキやステップなどではなく、このサイドスタンド!特異な足回りのディメンジョンのため、スタンドの長さと支点位置が限られるわけで、それを実現しつつ強度も使用面も問題ないというスタンドを実現するのは素人のワタクシにはホントに大変でした、この状態に落ち着くまで何度作り直したことか....見た目はなんとかしたい、見た目は重要。


〜 仕様 〜

車体
フレーム HONDA ゴリラ 12v(Z50J-25xxxxx)
ヘッドチューブ延長加工
リアブレーキペダルシャフトカット
G-craft エンジンマウント補強プレート
ステム HONDA イーハトーブ TL125S
ヘッドチューブ短縮加工
スイングアーム KEPSPEED目の字断面TYPE G 16cmロング
15mmアクスルシャフト加工
自作チェーンスライダー
エンジン
エンジン キタコ88cc
ノーマルヘッド&ノーマルカム
ギアポジションセンサー対応
キャブレター Keihin PC18
マフラー OVER Racing ステンチタン・アップマフラー
ドライブトレイン
ドライブスプロケット SUNSTAR 16T 7mmオフセット
ドリブンスプロケット JT Sprocket KX80用48T (マウント加工)
チェーン KMC Gold-420
ホイール&ブレーキ
フロントホイール 1998 HONDA CR80 1.40-17
リアホイール 1999 YAMAHA YZ80 1.6-17
フロントブレーキキャリパー 1986 HONDA VFR400R(NC21)
フロントブレーキキャリパーサポート 自作A2017S削り出し
フロントブレーキマスター YAMAHA YBR125? 1/2inch
フロントブレーキホース 2017 SUZUKI GSX-R250
リアブレーキキャリパー 1988 YAMAHA TDR50
リアブレーキキャリパーサポート 1988 YAMAHA TDR50加工
リアブレーキマスター 1988 YAMAHA TDR50
リアブレーキホース 1988 YAMAHA TDR50
サスペンション
フロントフォーク XR100モタード 31mmフォーク
リアサスペンション YASUSU MRNP(MXZ R) オーダー品
ステップ
フットレスト&ペダル YAMAHA XJR1300
ステッププレート 自作A5083削り出し
電装
ジェネレーター 純正コイル全波整流化
メインハーネス 全波整流化のため再構成
レギュレーター 中華ノーブランド
ヘッドライト 中華ノーブランドLEDヘッドライト
自作A5052ステー/HONDA純正ラバーマウント
テールライト 中華ノーブランドLEDテールライト
HONDA純正ラバーマウント
ウインカー 中華ノーブランド最低品質のクソ
自作A5052ステー/自作ラバーマウント
ハンドルスイッチ 中華ノーブランドハンドルスイッチ
メーター 中華デジタルメーター(SS182, KOSORX2Nフェイク)
A5052メーターステー/自作ラバーマウント
自作接続ケーブル
バッテリ Battery Man BM4A-BS
コネクター類 全防水対応
その他装備
スロットルホルダー 中華ノーブランド
クラッチレバー&ホルダー 中華ノーブランド
シート 謎の社外品・タックロールタイプ・アンコ修正
グラブバー ミニモト・アルミグラブバー
キャリアレスキット DAYTONA キャリアレスキット
上記グラブバーと干渉のため加工
サイドスタンド 純正延長
装着部分自作