2017/09/25
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カーモデル製作:HONDA RA273 1966

※復刻版の記事です

HONDA RA273

TAMIYA 1/12

2008/09/15〜2008/11/14

2006年の暮れに再販されたタミヤ・ビッグスケールのホンダF1(RA273)です。

このキット、最初の販売は1968年で当時はモーターライズで出ました。
確かホンダが当時優勝したから何かがきっかけでキットかしたというのを雑誌で読んだことあるっす。
ということで40年(製造は38年)を経たキットなのですが、内容を見るととても38年前のものとは思えないほど緻密なキットです。

しかし、年月の流れは残酷で細部を見ると成形も粗い部分(金型の消耗かな?)が散見されますんで、現代のタミヤクオリティのつもりで挑むと痛い目を見ること間違いなしのキットっす。。


で、展示会のためにこれを11月の初めには概ね完成させないといけないんですが....
ただでさえ手が遅い上に並行しての作業、どうなることやら(笑)
2008/09/15
ボディの状態っす。

ヒケや成形時の傷など、かなり表面は荒れています。状態は想像していたよりも悪いっすね。
最初はこういう部分に全てパテ盛り/瞬間接着剤盛りをして表面を成形します。

成形の際にボディ表面に表現されているリベットなどのモールドを痛めないように注意しないといけないっす(これがなきゃ一気にパテ塗りたくって削り出すのにな〜あぁ面倒くさー)。
2008/10/21
ボディの構成パーツ一式。
正確にはボディ色で塗らなければならないパーツ一式です。

で、1ヶ月ほど組み立て順序で悩んでました。
塗装のためにボディを完全接着してしまうには、サス周りが完成状態でないと決まらない部品があったり、内装のほんの一部(シフトレバー)を組み上げてしまわないといけない。

しかし組み上げてしまうとクリアコートしたくないものまでクリアコートがかかってしまうっす。

うぅジレンマ.....

例えばボディ左下にある小さなパーツ(リアサスの支持プレート)はリア周りを完成状態にしないと接着位置が決まらないっす、どうしたもんだか....
取りあえず仮組み。


メインの胴体のパネルは爆撃機のボディみたいだ、しかもデカい長〜い。

パーツの合わせははっきり言ってよくないです。


ボディ表面のウネリは時代が古いハンドメイドのクルマなので、あえて気にせず「ガサツ感」としてそのままにすることにしたっす。
2008/10/28
あまり悩んでてもしょうがないので、とりあえずボディパーツや足回りパーツにサフがけ。
2008/10/30
リアサスのパーツ。

中央の黒いパーツは強力な接着力が必要なので問答無用で瞬間接着剤を使用。しかし白化ガスでパーツの合わせ目付近が白くなるので、メッキのサスのロッドをマスキングして再度塗装。

あーめんどくさ〜
フロントカウル部

インテークの内部は内側に導入口のパーツを仕込むようになってるんですが、それが思いっきり段差と隙間ができちゃいますので、埋めまくりの削りまくり。

研ぎにくい上に隙間&段差も大きいので丸々1週間近くかかってしまった。
エンジンのメインパーツ。

実はのキットは元々モータライズとして開発されたので、エンジンブロック内部はモーターが仕込めるような箱形になってます。かなりアバウトなモールド。
完成後は殆ど見えなくなるからいいけど。


逆に右のギア&デブ部分はとってもリアルな造形で関心させられます。

エンジンパーツ類はサフの後に下地としてガイアのシルバー(粒子が大きくギラつきの強いシルバー)を下塗りしたっす。
2008/11/02〜03

エンジンやラジエータやリアアクスル関係のパーツ。こいつらも表面と整えてサフがけするっす。

パーティングラインは激しいっす。
一瞬、「ここには段差があるべきパーツ?」と思ってしまうほどにガッツリとパーティングラインが全パーツにあります。

全パーツのパーティングラインをを削ぎ落とすだけで延々と時間かかったっす。

厚みのあるパーツには必ずと言っていいほど深いヒケがあるので、これを程度に応じて瞬間接着剤やパテやサフを使って埋めていきます。

ヒケの程度も様々ですが、これなんか「実は穴があるべきパーツ?」と思ってしまうほどに深いヒケがあったりします。
2008/11/04
パーティングラインとヒケの処理が終わったら、今度は張り合わせるパーツの隙間と段差埋めです。

これも程度に応じてゼリー状瞬間接着剤やパテやサフを使うっす。どれもエンジン部から剥き出しのパーツばかりなので、手を抜くわけにもいかず、地道に作業。


連休中は延々とパーツの整形ばかりで終わりそうな気配、飽きて来た(笑)


で、ようやく全パーツの整形が完了!
全パーツにサフがけを行い、
金属地再現のパーツには下塗りとしてガイアのシルバー、
14日に間に合うのか.....
2008/11/05
組み立て図のエンジンの塗装色の指定はフラットアルミやメタリックグレイとなっているんですが....確かに雑誌などで1966年と思しき写真を見ると、あまりキレイとは言えない梨地のアルミなんですが....こういう色というか雰囲気を再現するのは、ちと難しいし試行錯誤する時間もない。

そういうわけで色んな色(シルバー、クリアオレンジ、ブラック、焼鉄色、スモーク)を混ぜて作ったっす。

これをシルバーの上に薄くかけることでレストアRA273のエンジン&ホイール色が再現可能っす。
(我ながら良い感じで調色できたと思うっす)
2008/11/07
エンジンは組み上がり済み(画像がないっす)。

で、いよいよボディ塗装の方に着手。
ボディの下地は既に作業済み。
ボディの指定色はタミヤスプレーのレーシングホワイトですが、どうにも黄色味が強すぎな感じがするので、今回はクレオスのホワイトに同じくクレオスのミドルストーンを混ぜて作ります。
この調色は車座の国産車エキスパートな氏から教わったのであります。
ばっちり、イイ色に調色できたっす!

乾燥はこの画像のようにペット用ヒーターを流用した乾燥ブースで強制乾燥(マネする人は自己責任でよろしく。オイラは加熱し過ぎないよう、外部タイマーで定期的に電源ON/OFFするようにしてます)。
2008/11/09
問題のエッチングパーツ(笑)

RA273でしかも1/12となると「エッチングでしか再現出来ない」っていうような薄いパーツやメタル感ギンギンの箇所は殆どないので、あまり意味ないっす。

それでも余らせてしょうがないんで使いますが....
マフラーも表面の荒れや集合部の継ぎ目の隙間が大きく、これもパテや瞬間接着剤で補修。

と書くと簡単だけど、
けっこう時間がかかったっす。

マフラーは複雑な形状だけど、組み立て自体は組み立て図に忠実に従えば特に問題は出ないっす。

マフラーの出口は爪楊枝の支えを突っ込めむためにもきちんとした空洞が欲しかったので、ドリルでざっくりと内部を彫り込んでるっす。

ベースホワイトを砂吹きし、乾燥後につや消しホワイトを塗装。でも思ったような「つや消し感」が出なかったので、フラットベースを加えたスーパーつや消しクリアを作ってコートしたっす。
2008/11/13
10日頃からデカールを貼ってクリアコート、今日は研ぎ出ししたっす。

デカールはかなり難儀します。
まずボディ再度のラインが真っすぐ定位置に貼りにくい、日の丸デカールやフロントノーズ内側は物理的に無理があり過ぎ(切り込みを入れたりマークソフターでなんとかしたけど)。時間が許せばマスキングして塗装表現した方が楽かも。

研ぎ出しはリベットのモールドがあるものの形状が単純なので楽です。

製作シーンは紹介してませんが、マフラーや足回りの各ユニットはすでに作成済みなので、これで全てのユニットが製揃い!

あとは組み立てのみです。
2008/11/13〜14(深夜/笑)
ここからは一晩での作業(所要時間:約3時間)です。
実はパーツ構成の少ないキットなので組み立ては楽です。

強度や組み立て時間を考慮して、接着はすべて瞬間接着剤です。
白化の出にくいロックタイトの新鮮な瞬間接着剤使ってます。

まずはフロント側から組み付け。

マスターシリンダーを格納するボックスを取り付けますが、これに付いてるフロントカウルマウントの金具(画像では少しボディから飛び出てる丸い穴の開いた金属のパーツ)は、力がかかるパーツなのでガッチリと接着剤で固めて付けないと後で悲惨なことに....
フロントサスの組み込み。
ここまでの製作過程では紹介していませんが、メッキパーツ類は、綿棒で手垢等を拭き取ってから、安っぽいギラつきを抑えるためにすべてスモークでコートしています。

組み込み時に手垢で汚れちゃうので、メッキパーツは組み付け後に再度綿棒で拭き拭き。
ハンドルとタイヤのステア機構が連動する仕組みなので、フロントサスの組み込みと同時にコックピットも完成します(この画像は後で撮影したのでロールバー部分の組み立てが進んじゃってます)。

ステアリングホイールはシャフトに入り辛いので組み立て前にシャフトへの挿入は要確認っす。
フロントのラジエータの組み込みです。冷却水タンクはラジエータユニットを支える強度が必要なので、これもガッチリと接着します。

ここまでの行程で、あとはフロント側はタイヤを装着するのみ(フロントのアップライトはタイヤ側に付いてるっす)、これで一旦終了っす。
次にリアの足回りっす。
リアのバルクヘッドにサスやサスアームやロッドをパチパチと組み込んでいきます。組み込み時は稼働がスムーズかどうかを確認しつつ行わないと完成後の車体が水平を保てない、なんてことにもなるので稼働のスムーズさは必ず確認。
後ろから見るとこんな感じ。

いよいよエンジンを搭載します。
ボディ側に小さな穴が見えますが、ここにエンジンから出ている突起を差し込んでエンジンが固定されます。
エンジンの積載。
エンジンは前出のボディ側の穴に突起を差し込むように斜めに滑り込ませますが、エンジンの位置確定に支障が出るので、この穴への差し込み部分は接着しないように。

エンジンの位置はバルクヘッドに接着するアーチ状のパーツでギアボックス(デフケース)を挟み込む形で位置が確定されます。

このアーチ状の部品はエンジン搭載前にきちんとバルヘッドにハマリ込むか確認した方がいいっす。

エンジン位置が決まるとドライブシャフトからリアサス(リアのアップライト)の位置を決めることが出来るので、この段階でリアのアップライトからボディに伸びる長いロッドを固定するパーツを接着するっす。
ドライブシャフト、リアスタビ、マフラーを組み込んでリア周りが完成。

マフラーの固定は、エンジン側は「浮いているだけ」なので、マフラー位置はギアボックスから出ているマフラーステーのみでの固定っす。
しかし、これが強度がなくてマフラーを固定するのにかなり苦労したっす。
せっかく再販するなら、こういう部分を金属パーツにして欲しかった。

あとはコクピットのウインドウとバックミラーを装着すれば完成〜なんとか11/14に間に合ったっす。


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